千客万来
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宮城出張中、県対策本部の置かれている東北朝鮮初中級学校(以下、東北初中)には1日たりとも途切れることなくさまざまな来客がありました。他県からボランティアに来た活動家や物資を届けにきた同胞、社民党議員、日本のボランティアの方、テレビ局などなど。思いがけなく幼馴染のご尊父とも19年ぶりに再会しました。
たくさんの来客のなかでもひときわ印象に残っているのが、東京朝鮮中高級学校(以下、東京中高)の生徒らの訪問です。生徒らは自分たちの用意した文化公演で後輩たちを少しでも元気付けようと、はるばる東北初中を訪ねてきたのです。震災から今日まで、日本各地から多くの支援があったことは報じられている通りですが、生徒らが直接現地を訪ねたのはこれが初めてのことでした。公演は歌や踊り、空手演舞といった内容で、東北初中の生徒・児童らは先輩たちの姿を食い入るように見ていました。
それから真心のこもったプレゼントも渡されました。一つ一つに東北初中生徒・児童らの名前が書かれた防災頭巾と、東京中高全校生徒がメッセージを寄せた下敷きとノートが、1人1人に手渡されました。
公演の前には東京中高と東北初中、それぞれ2人1組になって交流を深めました。最初は恥ずかしがってうつむいてばかりの生徒・児童らでしたが、すぐに打ち解けてオッパ、オンニ(お兄さん、お姉さん)たちに存分に甘えていました。特に幼い児童らはオッパ、オンニたちに遊んでもらって本当に嬉しそうでした。
教員の話によると震災当時、東北初中では泣きじゃくる下級生を上級生が抱きかかえなだめる光景が見られたそうです。誰が指示するでもなく自然に。そういった上が下を思いやる姿は私が滞在していた間にも随所で見られました。ある教員は「我が校では小学1年生は王子さま、お姫さま」とも仰っていました。
東京中高と東北初中の生徒らが交流する姿から、学校単体だけでなく民族教育の現場全体で連綿と受け継がれる、相互扶助の精神を垣間見ることができました。
去り際に東京中高の生徒が東北初中の生徒にこんなことを言っていました。
「つらいことがあったらいつでも言ってくれ」。
それだけの言葉ですが、これが出会って数時間の関係でもけっして上辺だけの言葉に聞こえないのは、民族教育で育った生徒ゆえだと思います。(淑)
Unknown
素晴らしいです。涙が止まりません。こんな素晴らしい子供達を育んだ民族教育に心から拍手します!
人生
子供の成長過程で、思いもよらぬ困難が襲い掛かったとき、大人が心配する以上に、子供は強く、そして、立派に成長するものだと思いました。
Unknown
>オンニョさま
東北初中では休み時間になると小学生みんなで遊んでいました。本当に仲がよくて、兄弟なのではと思うほどでした。
学校が大きな家族のようでした。
>うしお君さま
本当にそうですね。
私も東北初中を尋ねたとき、想像以上に子どもたちが明るく元気で、とても驚きました。
本当にたくましい子たちです。