what is essential is invisible to the eye.
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先日、うれしいお土産をもらいました。
それは、106ヵ国語で訳され、世界中から愛されているサン=テグジュペリの名作、「星の王子さま」。
私の“「星の王子さま」好き”を知る仲の良い友人が、海外に行く度に外国語で訳されたものを律儀に買ってきてくれるのです。ハングル版、タイ語版につづき、今回はスペイン語でした。(日本語版と英語版は自分で買いました)
タイ語とスペイン語は読めないのでただ眺めるだけのコレクションですが、せっかくいただいたのに放置するのもあれなので、これを機に手に取りました。日本語訳を。(笑)
今日は再読して感じたことをいくつか書きたいと思います。
「星の王子さま」といえば、言わずと知れたこの一節。
“It is only with the heart that one can see rightly; what is essential is invisible to the eye.”
(訳:心で見なくちゃ,ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは,目に見えないんだよ)
これはキツネが王子さまにいうセリフですが、その後も表現を変えながら、“ぼく”と王子さまの会話の中で繰り返し出てきます。このように。(以下引用)
「そうだよ,家でも星でも砂漠でも,その美しいところは,目に見えないのさ」(p110)
「そして,いまこうして目の前に見ているのは,人間の外がわだけだ,一ばんたいせつなものは,目に見えないものだから・・・・・・」(p110)
「だけど,目では,なにも見えないよ。心でさがさないとね」(p114)
「たいせつなことはね,目に見えないんだよ・・・・・・」(p122)
こう見ると、サン=テグジュペリが同書を通じて一貫して言いたかったことが、よく伝わってきます。
また、王子さまはこんなことも言います。
「だけど,ぼくは,あんまり小さかったから,あの花を愛するってことが,わからなかったんだ」(p48)
私が王子さまと出会ったのは、中学生の頃でした。(当時ウリハッキョでは、同書が英語の教材として使われていました。いまも使われているのでしょうか)
あれから十数年の間、何をわかり、どれほどの“大切なもの”を知らず知らずに捨ててきたのか、推し量ることもできません。なにせ目に見えないのですから、数えるなんてもってのほかです。(王子さまは数字も嫌いです)
この本を読むたびに、物事の本質や思いやりなどの、目に見えない抽象的なものへの強い憧れを抱くと同時に、自身の想像力、感受性の乏しさを感じずにはいられません。人間にとって本当に大切なものとは何かという哲学的考察と、その大切なものを失ってしまっている大人たちへの痛烈な批判が込められている同書は、何度読み返しても新しく、多くを教えてくれる、まさしく「大人のための絵本」です。
王子さまと同じように怒り悲しみ喜べる、豊かな感性をいくつになっても持っていたいものだと改めて思いました。(淑)
大人
新しい友達ができたとき、大人はいつも大切なことを聞かない。
この言葉を読むたび、子供たちの言葉をひっぱりだせる質問をするべきなんだなっていつも思います。
童心
最近、銀行の待ち時間などで、絵本などをなにげなしにぺらぺらとめくると、とても、深い意味を持っていると感心してしまうときがあります。
「子供が読む本」だと、おとなは軽視する時がありますが、子供の成長過程に、人格の基本的土台が詰まっているのだと、改めて感じました。
勉強も、シンプルイズベストですね。
Unknown
>mucky1025さま
コメントありがとうございます。相手の立場になって質問をするのは簡単ではないですよね。ある人は、先方の話に寄り添うと、まるで恋をしたように、その人が世界で一番大切な人に思えてくると言っていました。
>うしお君さま
いつもコメントありがとうございます。
同感です。たまに本屋で絵本を手に取りますが、あらすじがシンプルなだけに、ストレートに胸に響きますよね。立ち読みで読了できるのも絵本のいいところです。笑