ウリ民族フォーラムin岐阜まであと2日
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来る3日、ウリ民族フォーラム2011 in 岐阜が岐阜市内の長良川国際会議場で開かれます。前日の2日には青商会第15次総会が開かれます。
在日本朝鮮青年商工会(青商会)結成の翌年1996年から始まったウリ民族フォーラム。今年で16回目を数えます。フォーラムの場では民族教育支援、経済ネットワークづくりなど、青商会の活動に欠かせないテーマが生まれ、祖国と民族、同胞社会の未来を見据えたホットな議論が交わされてきました。また、近年では開催地の地域同胞社会活性化にも貢献しています。そのときどきの時代を映し出し、同胞社会の未来のビジョンや実践を提示してきたフォーラムは、今では青商会の代名詞的行事になっています。
(写真は昨年の北海道フォーラム)
毎年、日本各地の地方青商会が持ち回りで開催するウリ民族フォーラム。内容は回を重ねるごとに充実し、多彩に。イベントの性格も、「青商会のための催し」から、「同胞社会に向けて青商会が発信するメッセージ」へと変わっていきました。
近年(とくに08年の千葉フォーラムを機に)、民族フォーラムは議論と提案の場から実践をともなった具体的な提案がなされる場へと発展を遂げています。フォーラムでの提案は単なる企画のプレゼンではなく、開催地の青商会が年間を通じて実践してきた活動に基づくものです。
08年の千葉フォーラムでは祖国・朝鮮との関係を深める取り組みが紹介されました。これを機に、青商会が毎年独自の代表団を組んで訪朝するのが定例化しています。
続く09年の茨城フォーラムでは「セッピョル学園」が注目を集めました。これは、茨城朝高学区の群馬、栃木、新潟、福島、東北、茨城の朝鮮学校の全ての在校生を対象に「ウリハッキョネットワーク」を体感してもらおうと企画されたもの。全児童・生徒たちが一堂に会し、茨城朝鮮学校で2泊3日間、学校生活をともにしました。北関東、東北地方の朝鮮学校は児童・生徒数の減少という厳しい現実に直面していますが、「ひとつひとつの学校は小さくても各地にある学校をネットワークで結べば、日本の学校にも劣らない規模の学校になる」という発想から生まれたものです。
「セッピョル学園」は09年以降、毎年催されています。北海道の「ウィンターフェスティバル」や広島の「ミレ(未来)キャンプ」など、これにインスパイアされた取り組みが各地に広がりました。現在、福島朝鮮初中級学校の児童・生徒たちが放射性物質による汚染に苦しむ地元を一時離れて、新潟朝鮮初中級学校で学んでいますが、このような試みがスムーズに実行されたのも「セッピョル学園」の経験があったからだと言われています。
そして昨年の北海道フォーラムでは同胞歴史資料館設立や同胞宅一斉訪問活動などの試みが紹介されました。
ある人は元気をもらいに、またある人は今後の活動のヒントを得るために、と会場に足を運ぶ目的はさまざま。青商会の活動はフォーラムの開催だけにとどまるものではありませんが、フォーラムが青商会の活動を広く認知させるうえで「キラーコンテンツ」になったことは間違いありません。
フォーラムは地方単位の開催ということで、開催地の青商会は知恵を絞り、自らの威信をかけて準備をします。準備する方は大変です。肉体的にも精神的にも、財政的にも。中小規模の地方ならなおさらです。苦労話には事欠きません。開催するにあたって改善すべき点は少なからずありますが、達成感もまた大きいそうです。
今年の岐阜フォーラムのテーマは「ギフト」。開催地である岐阜(GIFU)とギフト(GIFT、贈り物)をかけました。立ち上がろうトンポ(同胞)社会、同胞社会を元気にするギフトを岐阜から贈るというコンセプトです。
ちなみに、岐阜県は「日本の中心」です。これは、岐阜県が地理的に日本のほぼ中央に位置しているということのほかに、同県の関市に日本の人口重心(ひとりひとりが同じ重さを持つとしたときに日本全体の人口を一点で支える点)がある(岐阜県庁HPより)ということにも関連します。
今年のフォーラムでは果たしてどのような光景が繰り広げられるのでしょうか。
「日本の中心」で青商会が贈る「ギフト」に刮目せよ! ということで、イオでは私と(淑)さんが取材を担当します。朝鮮新報でも複数の記者を派遣します。私は今晩から現地入りします。当日の詳しい模様はイオ8月号、朝鮮新報をご覧になってください。(相)