７月２、３日にかけて青商会第１５期総会とウリ民族フォーラムを取材するために岐阜に行ってきました。
　参加したみなさんがさまざまな場所で感想を書いていますが、私も取材しながら感動を抑えることができませんでした。
　今回はその中でも、「KYCマン」のことついて書きたいと思います。

　私はフォーラムの現場に行くまで、いくつか疑問がありました。たとえば、ポスターのキャラクターにもなったKYCマン。アメコミ風のキャラが今回のフォーラムとどんな関係があるのか？　ずっと気になっていました。
　フォーラムの本番で登場するな、とは薄々思っていたのですが、予想通り出演しました。アントニオ猪木さんといっしょに。

　なぜ岐阜フォーラムでKYCマンだったのか？　それは、第２部の最後に登場した岐阜青商会の郭展明会長のメッセージで明らかになります。長くなりますが、そのメッセージを紹介したいと思います。

　私たちは子どもの頃、いつもヒーローたちの姿を見て育ちました。私たちにとってのヒーローは、私たちのアボジ。オモニだったと思います。愛する子どもたちのためにがむしゃらに働いて、どんなに疲れていても学校のバザーや運動会でキムチやトック（雑煮）を販売し、学校のため子どもたちのためにがんばるその姿を見て、私たちは育ちました。そんな姿を見てきたからこそ、私たちが今、この場に立っているんだと確信しています。
（中略）
昨年の北海道フォーラムに参加する際、仕事を休んで出かける私に小学校５年生だった次男は「アッパ（お父さん）北海道いいな～、おいしいものいっぱい食べられるね」と羨ましそうに言いました。それを聞いた中１だった長男は、「アボジは遊びに行くんじゃないんだぞ！　トンポ（同胞）のために北海道に行くんだぞ！　だよねアボジ！」と言いました。この言葉は今までの誰のどんな言葉よりも胸に響きました。
私が学び、思い出のたくさんつまった東濃ハッキョはもうありません。子どもたちにこんな悲しい思いをさせたくはありません。こんな素晴らしい言葉を贈ってくれるこの子どもたちのために、ハッキョを守り同胞社会を元気に豊かにするために、われわれにできることはまだまだ沢山あると思います。
たとえお腹が出ていて腹筋がわれていなくても。ここにいる皆が子どもたちのスーパーヒーローなんです。世代も年齢もちょうど中間層にいるわれわれ青商会世代が、全世代の同胞の懸け橋となり、スーパーKYCマンとなって豊かな同胞社会を築いていきましょう。
（引用終わり）

　このメッセージにある「ヒーロー」という言葉を聞きながら、私はミスター・チルドレンの「Hero」という曲を思い出しました。

　小さい頃に身振り手振りを
　真似てみせた
　憧れになろうだなんて
　大それた気持ちはない
　でもヒーローになりたい
　ただ一人　君にとっての
　つまずいたり　転んだりするようなら
　そっと手を差し伸べるよ

　会長のメッセージにはほかにも、茨城フォーラムのテーマ「ネバーギブアップ（決してあきらめない）」や、北海道フォーラムの「同胞社会のバトン」という言葉がさりげなく使われていたり、エンディングの映像が次回開催地である宮城へのエールになっていたりと、フォーラムの内容を整理していると改めてさまざまなことに気づかされました。

　私的に、一番の感動ポイントは、フォーラム史上もっとも悲しい幕開けとして刻まれるであろうオープニングと、第２部最後の会長のメッセージにあった、「アボジは遊びに行くんじゃないんだぞ！　トンポのために北海道に行くんだぞ！　だよねアボジ！」という言葉でした。行事に決して派手さはありませんでしたが、岐阜青商会の真摯さがにじみ出ていたフォーラムだったように思いました。（相）