銀のかんざし
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朝鮮新報の分局長を主人公に、1980年代の在日朝鮮人をとりまく環境、同胞たちの生活を描いた映画「ウンビニョ(銀のかんざし)」を観ました。
この映画は総聯の結成30周年を記念して1985年に共和国との合作で製作された映画です。
過去に3,4度観ていますが、今回もとても楽しく鑑賞しました。ウリマル学習の一環として、本作を教材にアフレコもやったことがあるので、心の中で一緒に台詞を言ったりして。
(分局長の娘、スヒャン)
この映画、時代背景こそ現在と異なりますが、今観てもまったく遜色がないほど、在日朝鮮人社会が抱える普遍的な課題をわかり易く表現していると思います。実際に観ていただきたいので詳しい内容は書きませんが、一つだけ。
普遍的な課題と前述しましたが、さまざまな問題をいつまでも「普遍たらしめているもの」の存在に対して、映画を観ていて苛立ちを禁じえませんでした。
この映画は合作ということで、朝鮮の名優たちを含めた映画制作団が約1ヵ月間日本に滞在して撮影をしました。朝鮮の俳優たちと同胞が共演もしています。しかし現在はこうした日本での交流は実現不可能です。2006年10月の朝鮮の核実験以来、日本政府が制裁措置として、「北朝鮮国籍保有者」の入国を原則禁止としているのは周知の事実です。この点だけをとってみても、私たちをとりまく環境は1985年から好転するどころか、複雑さを帯び、より厳しくなっていると思います。
「ウンビニョ」、未見の方はぜひ一度鑑賞することをお勧めします。ベタな演出もいい味を出しているのでそこにも注目してもらいたいです。笑
ちなみに朝鮮新報では今年3月、朝鮮新報累計15000部発行に際して、分局長役の俳優にインタビューも行いました。(http://sinbo.korea-np.co.jp/news/ArticlePrint.aspx?ArticleID=46035(※朝鮮語))
余談ですが、ショックだったのはずっとヨンシクだと思っていた登場人物の名前が実はミョンシクだったこと(今回観たのは字幕付き)。何度も観ているのに間違いに気づけなった自分の語学力に幻滅しました…。
あいにくのお天気ですが、皆さま良い週末を。(淑)