ホテルでチェックインの際に外登証のコピーを求められた
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先週、鳥取県米子市へ出張に出かけた。出張そのものは、非常に充実したものだったのだが、ひとつ非常に腹立たしいことがあった。
それは、米子市内のホテル(一般的にビジネスホテルと呼ばれるもの)にチェックインするときに起こった。
いつものように、名前、住所、電話番号などを用紙に記入した。すると、ホテルの従業員が、「在日外国人の方だと聞いています。失礼ですが国籍欄に国籍を書いて下さい。そして外国人登録証をコピーさせてください」というようなことを言ってきた。仕事柄、出張が多いのでホテルもよく利用する。しかし、そういうことを言われたのは初めてであった。
こちらが、なぜ外国人登録証(以下、外登証)のコピーが必要なのかと尋ねると、その従業員は、警察の指導でそうしている、と答えた。
その答えに、当然のことながら腹が立ちムッとしたのだが、外に人を待たせていたこともあって、言われるままに国籍欄に「朝鮮」と書き、外登証を出してコピーさせ、さっさとチェックインを済ませたのであった。
後で、そのことをツイッターでつぶやいたところ、ホテル業務に携わる人から貴重なアドバイスというか情報が寄せられた。
それで知ったことだが、旅館業法施行規則(2005年4月改正)で、日本国内に住所を有しない外国人は宿泊者名簿に、国籍及び旅券番号を記載することが決められており、その確実性担保のため局長通知によってパスポートのコピーを取るようになっている。
だから、日本に住所を有する在日外国人には、まったく関係のない話であり、外登証のコピーを取るということはおかしなことであるわけだ。
私はちゃんと住所を書いたし、そのホテルは、地元の在日同胞に予約を取ってもらっていて、私が名前を書く前に、ホテル側は私が在日外国人であることは知っていた。
東京に戻ってから、管轄する厚生労働省健康局生活衛生課(ここが管轄であることもツイッターで教えてもらった)に電話した。電話に出た人の話はこうであった。
感染症などが起こった場合、その感染ルートを調査するため、日本に住所を有しない外国人の国籍及び旅券番号を記載するよう通達を出したとのことだった。そして、在日外国人に対しての外登証のコピー云々はまったく厚生労働省は関知していない、ただ各都道府県が独自の条例を出している可能性があると言っていた。
そこで、米子市の観光課に電話すると(その間にもっといろいろと問合せややり取りがあったが)、電話に出た人は、米子市では外登証のコピー云々の指導はしていないと言う。そこで、「警察の指導でやっていると聞いた」と話すと、その人は、「県や警察署に問い合わせて折り返し連絡します」と言うのであった。
私も米子警察署に電話してみた。電話に出た人は同じように「担当の者に連絡し折り返し連絡します」と言う。
先に、折り返し連絡してきたのは米子市観光課だった。
観光課の人の話を要約すると、以下のようになる。
・米子市や鳥取県は、外登証をコピーさせるといった指導を宿泊施設にしていない。
・米子警察署に問い合わせたところ、米子警察署の警備課で、外国人に対しては身元を確認するように指導していると回答をもらった。
・その理由は、不法滞在者だったり「旅行犯」の疑いがあるからとの警察署の回答だった。
・しかし、コピーをさせるかどうか(身元を確認させるかどうか)はあくまでも任意で行っているとの警察署の回答だった。
しばらくして、米子警察署の警備課から電話がかかってきた。その間に、私の電話番号からいろんなことを調査していたことであろう。担当者は以下のような内容を語った。
・米子市内の宿泊施設に対し指導を行っている。
・身元確認のための外登証のコピーなどはテロ対策、テロを未然に防止するために行っている。
・記載された内容に虚偽がないかを確認するためだ。
・外国人だけでなく日本人にも運転免許証などで確認するようにしている。
・身元が確認できない(身元を確認するものを持っていない)場合、警察署に連絡するよう、宿泊施設側に指導している。
・連絡があると警察署から宿泊施設に出向くこともある。実際に出向いたこともある。
・宿泊施設から連絡があれば入管などで照合して、記載事項に虚偽がないか確認している。
・身分証明書の提示はあくまでも任意である。客は拒否することもできる。
・こういった指導は、鳥取県警が各警察署に指令し行っているものである。米子警察署以外の警察署がどのように各宿泊所に指導しているのかは把握していない。
・この指導に対して、どのように判断して運営するのかは各宿泊所によってちがうかもしれない。
まず、身元確認の理由として、厚生労働省の人は感染症の問題を挙げていたのに、警察署の人は「テロ対策」とはっきり言っていたので、後で厚生労働省の「旅館業法施行規則の改正について」というHPのページを見ると、たしかに、「改正の背景」として感染症の問題とともに、「また、近年の諸外国におけるテロ事案の発生を受け、我が国内においてもテロ発生に対する脅威が高まってきており、不特定多数の者が利用する旅館等においてはその利用者の安全確保のための体制整備がますます重要となってきております。」と書かれてある。
しかし、警察署の人は、こちらが感染症云々の理由はないのかと聞いても、「いや、テロ対策です」と言い切っていた。
一番腹が立ったのが「任意」と言っているところだ。身元が確認できない場合には警察署に連絡しろとまで宿泊施設に指導しているのに、あくまでも「任意」と言いはるその神経を疑ってしまう。
また、警察署の人は日本人に対しても行っていると言っていたが、私が泊まったホテルは、はっきりと「外国人の方にお願いしている」と言っていた。実際に、米子市内のホテルで日本人に対し身元確認を求めているとは思えない。
いま、街中には「防犯カメラ」という名前の監視カメラが溢れている。百歩譲って、米子警察署が日本人にも身元確認するよう求めているとしたら、それはそれで非常に怖いことだ。多くの人々は監視カメラについて「悪いことをしていないのだからあったほうがいい」というとらえ方をしているそうだが、本当にそれでいいのか。
対応した米子警察署の人は終始、「身元確認をするのは、至極当然のこと。こんなことを問題にするほうがおかしい」という口調で、こちらの質問に答えていた。
非常に腹立たしかった。問題点はもっといろいろ書けるだろうが、しかしいま、この問題をそのまま放置するのか、それとも何らかの行動を起こすのか、どう対処したらいいのか、よくわからないというか、悩んでいる。(k)
Unknown
確かに変ですよね。
読んでいて怖くなりました…
向こうの方は問題意識など無いんだろうなぁ
Unknown
私も過去に同じ経験があります。
都内や横浜辺りのホテルだったと記憶しています。
当然拒否。
当時はテロ云々ではなく外国人旅行者に対してパスポート提示のお願いである旨を説明でした。
生憎パスポートは所持していない事と旅行者ではなく特別永住者である事、日本国内に定住しており勤務している事は宿泊カード記載で明確なので必要ないであろうと告げて拒否しました。
それ以上食い下がるなら弁護士を介しますの一言で終了。
追記です
要は治安当局は我々を治安対象と観ているぞと明確に答えたわけなんでしょう。
なので外国人が何でそこに首を突っ込むんだと言わんばかりのその態度なんでしょうね。
田舎の警察官ほどその傾向を強く感じます。
Unknown
妖精たんさんへ。コメントありがとうございます。これから日本の管理社会がますます進みそうで、私も怖くなります。
nikuvichさんへ。コメントありがとうございます。私も、時間的、精神的余裕があれば、もっと違った対応ができたのにと思っています。それにしても、対応に出た警察署の人間の態度は、「管理・監視して当然」という感じでした。
Unknown
失礼します。
私は日本人ですが、ちょっとしたキッカケでこのブログを閲覧させて頂いてます。
やましい事がなければ堂々とコピーさせればいいし、防犯カメラに映ったとしても何ら気にすることはないのでは。
と思ってしまいます。
考え過ぎ、と言ってしまうと冷たいでしょうか…。
ホテル関係者です
米子市のホテル勤務してますf^_^;
コピーとる事すら、めったにというかしません…
あるのは、フロントの新人研修中に指導係りの口頭指導で知識としてぐらいです、海外からの長期ステイの方ならする可能性はあります。在日では…しないですよいまどき?
どこに泊まったんですか( ̄▽ ̄;)
Unknown
米子のホテル関係者の方、コメントありがとうございます。
私も、警察の「指導」があるにせよ、各宿泊施設で、常識的な判断のもとに対応していると思っています。
私の泊まったところが、たまたまそういう対応をしたのだと思います。私の問題にしているのは主に警察のそういった「指導」です。
気を付けなければならない必要性について
客観的諸事実に基づく判断は大切なことであり、それは警官等の言動に対しても当てはまると考えます。
近世朝鮮は日本を侵略しなかったにもかかわらず日本に侵略され、朝鮮側が先に日本人を強制連行・拉致したわけでもないのに日本に強制連行・拉致され、日本に来た在日朝鮮人は外国(「併合した」と称する日本)の経済繁栄のためにしばしば過酷な労働を押し付けられ、大地震が起こると悪意ある虚偽の風評をたてられ(関東大地震、東北関東大地震など)、その風評に基づいて殺され(関東大地震)、戦争が始められると極度に人権を侵害され、戦後も法的な差別のもとに諸抑圧を押し付けられ、またそれと連動しいいかげんな口実に基づき衣服を(非合法的に)裂かれ、教育を抑圧され(民間右翼の襲撃ならびに公的経済差別)、無理矢理な口実(常備薬その他)によって弾圧されてきた諸事実と昨今の実際状況を勘案すれば、これらの犯罪に手を染めてきた者すべてが今日突然反省して改心し、在日外国人差別から足を洗い正直者に豹変したと考えるべき合理的な理由は存在しません。
今日まで各種の差別犯罪を公然および非公然に繰り返してきた者が明日以降どのような差別犯罪をおかすかについて、そのすべてを予測することは甚だ困難です。身元確認の強制を含め差別的な対応をしたり、監視カメラを悪用したり、冤罪を押し付けたりするなどの行為が懸念されます。従って、常日頃からそれらに対して十分な警戒心を持っておくことは、人々の暮らしと安全のために大切な事だと言えるでしょう。
西新宿 2013.7.9
いや~
久しぶりに私も身分証明書の提示を求められ、激怒いたしました。過去20年でまだ2度目ですが、なぜかこのようなことは神経に触り、鮮明に記憶されてしまいます。
私は日本人の子ですが、当時の法律より母の戸籍に私たち姉妹の出生は記録されていない部類です。国籍に関する法律改正があった時を前後に長期に海外いたことなどからタイミングを逸し、今も外国籍のままです。
身分証の提示にはさほど抵抗はなかったですが、(米国ではしょっちゅう何かしら番号を控えるので)、個人情報を扱っている慎重さと一泊6000円の宿で個人情報の管理が行き届いているとは到底思えなかったからです。向こうは戸惑ったので番号を控えるようにお願いし、一件落着しました。
今回何が残念って、便利な安宿で、朝食もまっとうだったので、気に入ってしまいました。でも、また提示を求められるかと思うと心にグサッと来るのが分かるので、もう少し出して次回は別のホテルに泊まろうかと思っています。どうしよう…
私もこの法律に関して調べたい気持ちです。でも、新宿だと不法滞在の外国人が多いだろうからハードルを上げておきたいんだろうな…どうしよう
Unknown
今日同様ホテルに在留証を求められ、その番号を控えるとのことでした。私は、正直在留証を求められたのですら初めての経験で、何故か泣きそうな気分になりました。日本在住約9年の未成年で、やっぱり外国人だとこんな扱いをするのかと悲しかったのです。安全面とか色々で、しょうがないのかなともおもいつつ、やっぱり悔しい。ちょっと名前変えたくなっちゃいますね。このままここで生きるなら。
Unknown
トラベラーのパスポートのコピーは当然取ります。
在留カードに関しては特定アジアの方以外は、自ら提示してらっしゃいますが、特定アジアの方は何かしら後ろ暗いものがあるのか、提示しようとしませんね。
とりあえずクレジットカードの利用があるなら有事にはそちらから個人の追跡が可能であるので無理には提示を求めません。
クレジットカードがない、在留カードもないのであれば、所轄の生活安全課にそっと連絡しておくだけです。
無理に提示を求める事はありません。
Unknown
例えば日本人でも海外に行ってホテルにチェックインする場合は100%身分証明書のコピーを取られます。
それは何かあった時に家族とも連絡が取れなくなるのを防ぐためであり全く違和感を感じません
また、街中を歩いていてもことあるごとに身分証明書の提示を求められる国は多々あります。
(アメリカや中国など)
考えすぎなのではないのでしょうか?