震災からあすで半年
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あす11日、東日本大震災から半年を迎えます。
被災地では復興へ向けた懸命な努力がつづく一方で、収束のつかない原発問題をはじめ、瓦礫処理や仮設住宅の問題など、まだまだ再生の見通しが立っていないのが現状です。
さまざまな問題があるなかで、被災地の失業者の問題も深刻です。震災による失業者は岩手、宮城、福島の3県で7万人以上と推定されています。工場などの生産機能は回復しつつあるそうですが、雇用環境は依然、厳しいそうです。復旧事業で求人は増えているそうです。でも仕事を失った人たちからすると、震災前の就業経験を生かす仕事が見つからないことなど、問題は単純ではないと思います。まったく新しい仕事を始めるのは簡単なことではありません。年配であればなおさらです。今後、被災地では多様な事業を本格化させ、新たな雇用を創出することが求められていると思います。
また、東北3県のハローワークに登録した被災求職者のうち、7月末までに就職できた人が2割にとどまると報じた新聞もありました。記事ではそうした人々への失業手当が来月中旬から切れ始めることへの懸念を指摘していました。
この問題を一つとってみても、被災地再生には、想像が及ばないほど複雑な困難があるのがわかります。震災から半年が経ち、直後に比べて人々の関心も徐々に、しかし確実に薄れてきています。
例外なく私もそうだと思います。夏休みには東北朝鮮初中級学校の教員と会う機会があり、学校の話を聞くこともできました。仮校舎での学校生活は季節ごとにさまざまな問題を生んでいるようで、その都度教員たちが話し合い、教育環境を整えているそうです。校舎内のなんてことないものにも先生たちや保護者たちの試行錯誤と努力が積み重ねられています。
10月号の「ESSAY被災地はいま」は、東北初中の教員が書いてくれました。震災後5ヶ月、どのように学校復旧に取り組んできたのかが、とても素直な文章で綴られています。ぜひ読んでください。
これからもイオで被災地同胞社会の情報を伝えることで、復興に少しでも貢献できるよう、微力を尽くしていきたいと思います。被災地の復興を願って、また、自身への戒めとして、4月に取材で訪れた宮城でお世話になった方々へ、残暑見舞いの絵葉書を送りました。(淑)