第40回迎えた在日朝鮮学生美術展
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今週火曜日から近畿地方に出張中です。イオの次号は朝鮮幼稚園・幼稚班の特集。この間、大阪、京都、滋賀など近畿地方の朝鮮幼稚園・付属幼稚班をいくつか訪れて取材しています。イオではこれまで何度も民族教育および朝鮮学校に関する特集を組んできましたが、朝鮮幼稚園・幼稚班を単独で扱うのはたぶん今回が初めてだと思います。初めての試みなので、取材にも力が入ります。11月号をご期待ください。
話は変わって、この場で一つ宣伝を。
9月初めから在日朝鮮学生美術展の巡回展が日本各地で催されています。在日朝鮮学生美術展とは、日本各地の朝鮮学校に通う児童・生徒たちの美術作品を展示するもので、今回が第40回目の開催となります。
開催期間は来年2月末まで。計10ヵ所で行われます。神戸展、大阪展がすでに終わり、現在は北海道展が開催中(9月26日~10月1日、北海道朝鮮初中高級学校)。その後も広島、東京、神奈川、京都、鳥取、名古屋、福岡と続きます。
写真は神戸展のようす
今回の応募作品は1万2314点。その中から選ばれた724点の入賞作品のうち約600点の作品と多数の佳作、各地方入選作品が展示されます。 絵画はむろん、立体、写真、映像、アニメーションなど作品ジャンルも幅広いのが特徴です。私が学生の頃はこんなに幅広い内容ではありませんでした。ちなみに、美術的センスゼロの私は出品すらできなかったような苦い記憶があります。
今回は第40回という節目の回。40周年記念として、日本各地にある朝鮮学校に通う幼稚園・幼稚班から高級部までの全児童、生徒の姿を写した巨大写真パネルや、現在新潟で学校生活を送っている福島朝鮮初中級学校の子どもたちが地元を発つ前に描いた作品をはじめ各地から寄せられた児童・生徒の作品をフォトモザイクにしたものを展示するなど、新たな試みも行っています。40周年記念プロジェクトの名前は「花の種」。若い美術教員たちのアイデアだそうです。
写真パネルがこちら。
拡大したものがこれ。
フォトモザイク作品の一部
今回の美術展は東日本大震災復興支援という目標も掲げています。日本全国のウリハッキョ児童・生徒たちが写っている写真パネルは各地を巡回後、被災した東北地方の朝鮮学校に送られ、卒業式の場でも展示される予定です。パネルに写る子どもたちはみな手に花を持っています。日本全国の友だちとともに被災地のウリハッキョ児童・生徒たちの卒業を祝おうというすばらしい試みだと思います。
サッカーやラグビーなどスポーツ分野での活躍に比べると華やかさや注目度は劣るかもしれませんが、朝鮮学校に通う子どもたちの豊かな内面世界を垣間見ることができる絶好の機会だと思います。子どもたち一人ひとりの感性が美術作品を通して視覚的に伝わり、観る人の心に響くはずです。
在日同胞のみならず、日本の方々も多く会場に足を運んでくれることを願っています。
巡回展の場所や日時など詳しい情報は、http://www.gakubi.com/まで。(相)