大阪府の補助金支給停止と朝鮮学校の卒業式
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18日の日曜日、各地の朝鮮学校で卒業式が行われた。わたしも都内の初級学校の卒業式に顔を出してきた。朝鮮学校の入学式には何度か取材で行ったことがあるが、卒業式、それも初級部の卒業式はもしかしてはじめてかも。だから、あまりちゃんとしたことを言えないのだが、やはり卒業式も日本の小学校の卒業式とずいぶんと違っているようだ。
児童数が少ないということもあり、卒業生一人ひとりがクローズアップされるし、卒業する子どもが最後の子どもだと(弟や妹が在学していないと)保護者にもプレゼントが渡されるなど、保護者たちへのねぎらいがある。
式が終わると引き続き謝恩会が行われ、子ども同士、親同士、そして先生も含めて6年間を振り返る。驚いたのは、6年間の中で教えてくださり現在は引退したり他校に赴任している先生がわざわざ駆けつけて温かい言葉を贈ってくれたことだ。同日、同じく卒業式を行っていた学校の校長先生も来てくださった。
最後は、子どもたちが6年間の感謝を込めて、保護者たちに手紙と花束を贈る。多くの子ども、保護者が泣いていて、横で見ていても目頭が熱くなった。
わたしが参加した卒業式は、それでもまだ卒業生が多かったが、卒業生が1人、2人という学校、また卒業式を開くことができないという朝鮮学校もある。
大阪府は19日、府内の朝鮮学校8校に対し2011年度分の補助金の支給を見送ると発表した。これまで「肖像画」などを問題にしていちゃもんをつけてきたが、子どもや保護者、学校関係者や同胞の心を踏みにじる決定だ。
長々と書く余裕がないので、これについては次のブログを参照してもらいたい。
Arisanのノート「大阪府の朝鮮学校補助金不支給について」 http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20120320/p1
「高校無償化」からの朝鮮学校排除も補助金カットの問題など、今後、朝鮮学校に対する弾圧、不当な人権侵害に反対し粘り強く続けて闘っていかなければならない。
それと同時に、ここまで露骨に権力側が弾圧してくるとなると、朝鮮学校を日本人をふくめより幅広く支えていく体制をさらに築いていく必要があるのと切実に思う。現在、「一口1000円」運動などを行っている朝鮮学校があるが、大阪府民の0.数パーセントが月々1000円出しただけでも大きな金額となり朝鮮学校を財政的に支えられる。
日本社会の責任として、ぜひ取り組んでもらいたい。(k)