15年目の春
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先日、(K)さんが新社会人にちなんだ話を書いていたが、それを読みながら私も社会人としてのスタートを切った10数年前のことを思い出した。
私が大学を卒業して今の会社に入ったのは1998年3月末のこと。同期には朝鮮大学校時代の同級生を中心に8人がいた。
初出社の日。昼過ぎの出社だった(と記憶している)ので、その前に同じ学部出身の先輩社員2人が私ともう一人の新入社員を昼食に連れて行ってくれた。場所は、神楽坂の路地を入ったところにある蕎麦屋さん。当時、年齢が20代半ばと後半だった先輩方2人は現場の取材記者としてバリバリと働いていて、学生気分が抜けない自分に会社のこと、仕事のことをいろいろとアドバイスしてくれた。その颯爽とした姿がとてもまぶしく見えたことを覚えている。
約1週間の研修を経て、それぞれの部署に配属された新入社員9人。ある人は新聞記者に、またある人は雑誌記者に。経理部や総務部に配属された人もいた。私は英字新聞の編集部へ。あの頃は仕事を覚えるのが必死で、毎日が慌しく過ぎていった(今が暇というわけではないが)。余裕などまったくなかった。
それから14年。社内で3つの部署を渡り歩き、それぞれの職場で周囲の人びとに支えられながら経験を積み、今は4つめの部署である「イオ」編集部で働いている。
当たり前だが、歳をとった。社内では立派な中堅クラスだ。世間的にも決して若くはないだろう。新卒で入社した人たちと干支が一回り違うという事実に軽い衝撃を覚えたのが数年前のこと。今年の場合で言うと14歳離れている。もしかすると、彼らよりも彼らの親と年齢が近いということもありうる(このような物言いをすると、私よりさらに上のベテラン社員の方々は怒るかもしれないが)。
春は新たな出発の季節であり別れの季節でもあり、出会いの季節でもある。私が属している会社でも、職場を去る人がいる一方でニューフェイスも入ってきた。新入社員たちが今日からそれぞれの職場に配属された。「イオ」編集部には入ってこなかったが、私がブログを書いている後ろで今、ほかの部署では新入社員たちが先輩社員にいろいろと仕事を教わっている。
新人が入ってきて職場全体の雰囲気もリフレッシュされる。この時期が個人的には結構好きだ。
明後日から4月。そして、私も社会人15年目に突入する。いつまでもフラフラしていてはいけない、と自分を戒めつつ、新たな気持ちで仕事に臨みたい。(相)