取材は出会いだ!の巻
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先々週、久しぶりに関西へ出張に出た。そのときの出来事。
取材相手が一般の同胞の場合、どうしても仕事が終わってからということになるので、夜に会って話を聞くということが多い。
その日も、夜7時に某地方都市の総聯支部の委員長と最寄り駅で待ち合わせ、取材相手の同胞Aさんが待っているという場所まで行った。
行くと、そこは一軒の飲み屋だった。
同胞個人を取材する場合、取材場所は、相手の自宅だったり会社だったり喫茶店だったりということが多い。まあ、この仕事も長いのでいろんな場所で取材をしてきたが、いきなり飲み屋、というのはそんなにない(取材終了後に飲みに行くというのは多いが)。まだテーブル席なら良いのだが、その日はカウンター席に座っての取材となった。前にはお店のマスターが。
飲み屋での取材となると、もちろん飲む前に聞かなければならないことをすべて聞ければ理想なのだが、座って「お茶!」ということはなく、やはりビールが注文され前に置かれる。それを飲みながら、酔わないうちにちゃっちゃと取材を済ませるのだ。その日もそうであった。
無事に取材が終わり、本格的に飲み始めた。
お店は取材相手のAさんの行きつけの店のようである。
こちらは支部委員長とAさんの間に座っていたのだが、Aさんの横に座っていたお客さんも常連さんのようで、Aさんとは顔見知り。お店のマスターと常連さん、Aさんが仲良くしゃべり会話が弾んでいる。関西人特有のノリで、会話が3人漫才のように面白い。何時から来ているのかわからないが常連さんはすでにけっこう飲んでいるようであった。
しばらく話を聞いていると、その常連さんが同じ同胞であることがわかった。日本学校を卒業しているとのこと。
わたしも名刺を渡して、同胞を対象とした雑誌を作っていると自己紹介した。正確な内容は忘れたが、だいたい次のように会話が進んだ。
Aさん:「イオていう雑誌知ってる?」
常連さん:「いや、知らん」
支部委員長:「一度読んでくださいよ」
常連さん:「ええよ、買うたろか。いくらや」
わたし:「1冊、600円です」
支部委員長「毎月配達して集金しますよ」
常連さん「そんなん、めんどくさいわ。今いっぺんに払うわ」
常連さんはそう言うと、おもむろに1万円を出してマスターに両替を頼むと、月刊イオの1年分の料金7200円を支部委員長に渡したのであった。驚きながらも領収書を切って渡す支部委員長。
例えば朝鮮学校を支援する日本人を取材してその人が取材を契機にイオを購読してくれるということはあるが、飲み屋で初めて会った同胞がその場で雑誌を1年分買ってくれるのは初めての経験だった。それでこちらも驚いたのだが、同時に、涙が出るほどうれしかった。
お金を受け取ったあと支部委員長が、わたしの耳元で小さく「酔っ払ってるけど、大丈夫かな」と言うのであった。
何ヵ月後か、その常連さんに会って、月刊イオの感想をぜひ聞きたいと思っている。(k)
出会い
僕も、今まで色んな出会いがありました。輸入食品店の韓国人のおじさん、お兄さん、近所でフエを吹いてるペルーのお兄さん、輸入食品店のインド人のおじさん、そして、僕の友達、先生、両親、兄弟、恩師…。これらの出会いは奇跡であり、運命でもあるのでしょう。よく、今親交が深い人物は、前世でも親交が深かったといいますが、そう考えると、何だか不思議な気持ちがしますね…。その常連さんも、もしかしたら、前世で(k)さんと、交流があったか、あるいは似たような出会い方をしていたのかもしれませんね。少し宗教的な話になってしまいましたが、季節の変わり目ですので、(k)さん、イオの皆さんも、お身体に無理の無いように…
Unknown
ポチョンボ電子楽団大好きさま、いつもコメントありがとうございます。確かに人の縁というのは不思議ですね。これからも体に気をつけてがんばります。