オンマたちの就活
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先日、素敵な女性に出会いました。子育て、両親の介護という大仕事を日々こなしながら起業された少し上の先輩。昨日の(k)さんのブログのように、記者の仕事は人との出会いが醍醐味といえますが、今年に入って始まった新連載WOMAN ×LIFEで出会う女性たちには、新鮮な刺激をいただいています。
私の周りには、結婚、出産を経て、第二の就活を始めている、始めたいと思っている女性が結構います。一昔前は専業主婦という言葉に象徴されるように、夫ひとりの稼ぎで家計を維持する家庭も結構ありましたが、ここ20年ほどで日本社会は大きく変わり、夫婦共働きが増えてきました。同胞社会も同様です。
私たちコリアン3世の就職を見ても、1、2世と違って、一般企業に就職できるようになり、産休、育休制度が整った会社に勤めている人、小さな会社であっても同僚に恵まれ、仕事を続ける人も増えてきました。その背景には男女雇用機会均等法など、日本社会における法整備や意識変化がありますね。また、結婚、出産後に再就職の厳しい現実に直面し、税理士、看護師などの資格取得に挑戦する女性もたくさんいます。
ただ、「出産を機に離職する女性が7割」という統計が物語るように、働き続けたくても不条理に解雇される例も後を絶たず、また子育て時のブランクや女性への社会的偏見(日本社会、同胞社会)も根強く、第二のシューカツは結構厳しいものがあります。正社員になりたいけど、パートに甘んじている、パートから抜け出す方法がみつからないという悩みはよく聞きます。夫の長時間労働で家事労働を一手に引き受けている家庭も多く、女性ががんじがらめになっている状況は否めません。
今までWOMAN ×LIFEでは、4人の同胞女性を紹介してきましたが、それぞれの記事を読んで感じるのは、皆さんのガッツとオリジナリティです。読者の反響を見ても、「子育てを言い訳にしちゃいけないと思った」など前向きな書き込みが寄せられています。この交感が嬉しい。
記事では、それぞれの女性がチャレンジを思い立った発想や着眼点、葛藤の足あとを見せられたら、と思っています。今は子どもが小さくて自由な時間がなかったり、自分に何ができるだろう、と悶々としている読者が、「自分にも何かできる!」と思ってくれたならとっても嬉しいです。
この取材が楽しいのは、取材した人から、「この人もぜひ!」と紹介が寄せられることです。この輪が広がっていけば、オンマたちのシューカツに風穴を開けるネットワークが作れそうな気がしています。(瑛)