神奈川朝鮮中高級学校の生徒たちを撮りに
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6月6日に、7月号の特集の撮影で神奈川朝鮮中高級学校に行ってきた。
神奈川朝中高を訪れたのは初めてだ。
生憎の雨の中、校門までの「100階段」を足下を注意しながら上ると立派な校舎が見えてくる。
神奈川朝中高は丘の上にあり、そこから見渡す景色はとても気持ちがいい。
残業ながら、月刊イオ4月号「マンガ・コッソンイ」の「ファニとカビ」の話に登場した犬の「カビ」はいなかった。
校舎に入り、高校1年生の教室がある4階へあがる。まだ生徒たちは授業の真っ最中だった。
校舎に響き渡る生徒たちの笑い声や先生の声、廊下に貼られたポスター、どれも自身の高校時代を思い出して懐かしさが込み上げてきた。
最初は高1の授業に入った。
始めは生徒も緊張していたが、段々それも解れていき、先生の目を盗んでポースを決めたり、冗談を言ってふざけたりと
笑いの耐えない教室で、絶え間なくシャッターを切った。
続いて高2の教室へ。
廊下には卒業生たちの現在の職業などが書かれた張り紙がずらりと並んでいた。
弁護士、記者、教員など、卒業生たちの職業はさまざま。
中には私が知っている人も数人いた。
高2の授業にお邪魔したとき、「誰だ!?」というような表情を見せた。
無邪気にはしゃぐ高1とは違って、こちらはなんとなく表情が硬い。気のせいか、一気に大人びているようにも見えた。
(高1と高2でこんなに違うものなのか?)と、明らかなその違いにちょっとおかしくなってカメラ越しに笑みを浮かべてしまった。
いわば「ツンツン」している第一印象があったので、これは撮りにくいかなとも思ったが、
思い切ってカメラを近づけると恥ずかしそうに顔を背けて照れ笑い。
撮られている友達を見て周りの生徒たちが笑う場面も何度かあり、外見が大人びていても笑った顔を見ればどこにでもいる普通の高校生だ。
生徒たちの普段の姿、柔和な表情を撮りたい 。
そんな思いから気が済むまで撮ったが、生徒からはちょっと鬱陶しがられていたかもしれない(笑)
今回の撮影で真剣な表情で授業を聞き、友達と笑ったり休み時間にギターを弾いたりと、生徒たちの自然な姿、ありのままの姿を見れた。
彼ら彼女らのこの顔は、実際、学校に行ってみないとわからないことだ。
2年と2ヶ月を過ぎても、いまだに実現していない「高校無償化」 。
朝鮮高校への無償化排除により、朝高生たちのこの笑顔が減って行くのはとても悲しいし心苦しい。
子どもたちの笑顔を絶やさず守って行くためにも、彼らのいまの姿を伝えるためにも、
自分が出来ることを改めて考えさせられた日でもあった。(麗)
朝鮮学校って
神奈川朝鮮学校、見に行ったことあります。語学マニアなんで、チョソングルの綴りが文化語式なのを、確かめたかったんで(笑)ところで、朝鮮学校って、ごくフツーの学校なんだと思います。フツーにいいやつもいれば、嫌なやつもいる。人間なんで、これ当然。だって、日本の学校だってそうでしょ。僕の通ってる高校も、いいやつも嫌なやつもいるし、変なやつ(俺?) も、まともなやつもいる。どこの国の学校だって、そうでしょう。韓国の学校だろうが、アメリカの学校だろうが、危ないイメージのあるイラクの学校だろうが、フランスの学校だろうが、どこにでもいろんなやつがいるのは、当たり前。普通に、人間社会の中で暮らしてれば、そんなこと簡単に考えつくだろうに、我々多くの日本人は、朝鮮学校を、何か特別なと考えてないか。麗さんの写真が、少しでもそういう当たり前のことを伝えて下されば、と思います。