突如現れた新都市空間
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朝鮮滞在35日目。
最近の個人的な楽しみといえば、朝鮮中央テレビで毎晩放映されているサッカー・欧州選手権(EURO2012)のダイジェスト番組。1時間あまりの放送時間で、得点シーンを中心に毎日3試合のハイライトを伝えている。おなじみのサッカー解説者・李東奎さん(スポーツ科学研究所サッカー研究室室長)の解説と、実況アナウンサーの「슛! 꼴인되였습니다!」(シュート! ゴーール!)を聞くと、「ああ、これだよ、これ。朝鮮のスポーツ番組はこうでなくっちゃ」と思えてくるから不思議だ。
と、ごくごく私的な話を書き連ねてしまったが、平壌市内で昨年5月から建設が始まった「チャンジョン通り」がこのほど竣工を迎えたことも伝えておきたい。
朝鮮ではここ数年、平壌市の大規模建設事業が行われていて、金日成主席生誕100周年にあたる今年をめどに市中心部の万寿台地区(金日成主席と金正日総書記の銅像が立つ万寿台の丘や万寿台議事堂などがある一帯)の一大リニューアル工事が進められてきた。チャンジョン通りの建設はその中でも中心的なプロジェクトという位置づけだった。
20日に現地で竣工式があったので、足を運んだ。一帯は工事のため長らく交通規制が敷かれていて、遠目から見ることはあったが、足を踏み入れたのはこれが初めて。
首都の中心部に突如現れた新しい都市空間。住宅としては国内で最も高い45階建てを筆頭に高層アパートや商業施設が立ち並ぶ姿は、あえて表現するなら、「平壌版摩天楼」といった感じか(もちろん、本家ニューヨークや東京の高層ビル群にはおよばないが)。最後に訪朝した2年前にはここに何があったっけ? と考え込んでしまうほどの変貌ぶりに驚いた。
近日中に再び訪れて取材する予定なので、くわしくは次回(あるいは次々回)の更新時にお伝えします。(相)