たわいのない企画の話
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今日は本当は、祖国統一の3大原則が示された1972年の7.4南北共同声明から40年に当たる日だということで、そのことについて書きたかったのですが、現在、朝鮮半島の北と南の関係は最悪で、書く気にならず、大飯原発再稼動に反対し首相官邸前に15万人(?)が集まったという6月29日のデモのことを書こうと思ったところが、7月1日に結局再稼動してしまい、再稼動してしまったにもかかわらず、首相官邸前では29日以上に抗議行動が行われていないので、デモのことも書かずに、昨日に引き続きたわいのないことを書きたいと思います。
同胞の方々と会った時に、月刊イオの内容について話題になることがあります。よく言われるのが、「毎月、毎月、企画を考えるのはたいへんでしょう?」という言葉。
確かにたいへんです。
月刊イオは連載以外に、月ごとの「特集」というものを掲載しています。また今年からは「特別企画」というものもあります。大きく2つの企画を考えなければならないわけです。
月刊イオはご存知の通り、在日同胞のことや朝鮮問題を扱う雑誌なので、おのずと扱う問題も限られてきます。「朝鮮の音楽」「朝鮮のスポーツ」「朝鮮のお祭り」と、何でも頭に「朝鮮の」をつければ企画になるといえばなるのですが、そんな単純なものでもありません。
実際にはそんな企画が多いですが…。
これまで360冊ほど月刊誌を作ってきましたが、手を変え品を変え企画をひねり出してきました。どうしても企画が思い浮かばないときもあります。絞っても水滴一滴落ちてこないという、頭が干上がった状況に陥ることもあり、そういう時は本当に苦労します。
大学を出て編集の仕事に就いたときに、先輩編集者から「雑誌編集者に必要な能力が二つある」と言われました。そのひとつが「企画力」でした(もうひとつは教えません)。企画のよしあしで雑誌の面白さが決まるし、いい企画を立てられない編集者はダメだということです。
朝鮮学校(民族教育)やウリマル、在日朝鮮人の権利問題などは、何度も特集として取り上げてきました。いろんな切り口が可能です。朝鮮料理の特集も多いですね。企画に詰まったときには「料理」になったりして…。逆に、1回やったら当分はやらないというテーマもあります。今年の1月号は「朝鮮半島の動物」について特集しましたが、私の心の中では「たぶんもうやらない企画」のリストに入っています。
現在製作中の8月号の特集は、「もう一つの沖縄、済州島」(仮)。沖縄も済州島も、これまで特集では扱ったことのないテーマで、この二つを合体させた企画は斬新です。私の頭では何年考えても出てこなかった企画でしょう。
先ほど、編集者の大事な能力が企画力、と書きましたが、しかし、やはり個人の力というのは限界があります。人それぞれ、生まれて成長した経緯が違うし、経験した出来事も違うし、発想もいろいろです。そういった多くの人々の頭(知恵)を集めてこそ、面白くて斬新な企画が生まれるのだと思います。
読者のみなさんも、「こんな企画はどう?」「このテーマの記事が読みたい」というものがあれば、編集部までどしどし提案してください。良ければ採用いたします。(k)