平壌焼酎との出会い
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先週に引き続き、お酒の話を書こうと思う。
特別企画のお酒特集で(相)さんが書いた記事を読み慶興館ビアホールの「7種類のビール」にますます興味が湧いた。
ビアホールでは1~7番のビールを番号で頼むそうだ。私は特に6、7番の黒ビールを飲んでみたい。
朝鮮新報などでも紹介されてきたが、記事を読む度に全種類飲んでみたいと思う。
なぜ「ビアホール」や「ビアガーデン」といった言葉はこんなにも魅力的なのだろう…。
ビールは夏に合う。
会社のメンバーと夏の生ぬるい風にあたりながら、冷たいビールを飲んだらどんなに最高だろう!
ついでに言うと、阪神巨人戦を見ながらだともっと最高! …と、そんなことを考えながら締切の修羅場を乗り越えている。
大学生の頃、朝鮮を訪問した際に飲んだお酒は「大同江ビール」と「平壌焼酎」だった。どちらも朝鮮の代表的なお酒だ。
当時は(いまもだが)お酒のたしなみ方もわからず、ただガブガブ飲んでいた。
せっかく朝鮮のお酒を飲む機会に恵まれたのに、その味すらいまは曖昧だ。
ある日の夜、平壌ホテルで行われた宴会の席で、グラスにたっぷり注がれた「平壌焼酎」を飲もうとした。
すると、訪問期間中に私たちの指導をしてくれた現地の先生が「君にはまだ早いからやめておきなさい」と言うのだ。
私は子ども扱いされたと思い、意地になって焼酎を一気飲みした。
その瞬間、指導員は目を丸くしたあと、段々口角があがり、ガハハハ!と大笑い。
勢いよく飲んだあと、焼酎独特の味が口全体に広がり「消毒液みたいな匂い」が鼻から抜けていった。
その味と匂いに顔を歪めたが、悟られまいと平気な顔して飲み続けた。先生はそのことに気づいているのかいないのか、始終ニコニコしていた。
焼酎の味なんて全く理解していなかった20歳を過ぎたばかりの私と「平壌焼酎」との出会いだった。
こうした酒の席で気分が良くなったときは、大学の恩師が酔った時に必ずする、箸を指揮棒代わりにして歌う仕草を真似したり、
カラオケで朝鮮の歌を巻き舌で歌ったりして、平壌の人たちを驚かせた。(いや、あれは単に引いていたのかも)
若さゆえの行動に今更ながら恥ずかしさが込みあげてくるが、平壌の人たちと食事や歌を共にしながら出来た「心の交流」がなにより嬉しかった。
あの時飲んだ「平壌焼酎」を、もう一度味わう日は来るのだろうか。(麗)