夏休み
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夏休みをどう乗り切るか―。
子どもにとっては楽しい夏休みなのに、この文章の出だしは何だと思いますが、小学校低学年の子を持つ働く親にとっては、結構シビアな課題です。周囲の友人を見ても学童保育に送ったり、親類に当番で見てもらったりとそれぞれ対策を立てています。
幸い、今週前半までは学校で宿題指導があったので助かりましたが、問題はこれから。地方に暮らす親類に2泊3日の小旅行を引き受けてもらったり、夫と休みを調整したり…。近場の親戚や友人にも「預かるよ」に声を掛けてもらい、どうにか乗り切れそうです。
自分が幼い頃を思い出してみると、母方の実家に一人で預けられたり、弟が学校へ通い出してからは2人で新幹線に乗って祖母の家へ遊びに行ったりと、夏休みは地方の両親の実家で過ごしていました。教員をしていた叔母が宿題を見てくれ、自分が働くハッキョ(学校)に連れていってくれたこともありました。その学校の夜会で同じ学校に通う先輩に会ってビックリしたこともあります。
西陣織りで生計を立てていた祖母と仕事の合間に他愛もない笑い話をしたこと、一日の楽しみだった銭湯でひたすらマンガを読んでいたこと…。暇をもてあまして仕事場をのぞくと、機織りに没頭する祖父母を発見! 祖母が90近くなった今、この光景を記憶に留めていることも貴重なものに思えます。
「かわいい子には旅をさせよ」といいますが、旅は冒険、日常とは違うハプニングがスパイスですね。
京都へ向かう新幹線の車中。途中の名古屋駅で「ジュースを買いに行く」と下車した弟が、新幹線が出発するも、中々席に戻ってきませんでした。一人でハラハラしていると、しばらくして新幹線の後方からダッシュで走ってきました。「(新幹線の)一番後ろまで行ってきた」というので気が抜けたことを覚えています。
その時は「戻ってこなかったら、どうしよう!」とドキドキしながらも自分なりの対策を練っていました。車掌さんに相談しようか、名古屋まで戻ったら会えるのかなぁ、などと…。今となっては楽しい思い出です。
色んな人に連れられて旅する子を見ると、ついついうらやましくなります。
「いつか、船で故郷にも!」。旅に憧れる今日このごろです。(瑛)