U-20女子ワールドカップ、今日準々決勝
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サッカーのU-20(20歳以下)女子ワールドカップが日本国内の各都市で開催中だ。
8月19日から始まった同大会は、予選リーグを経て30日から決勝トーナメントに突入した。
朝鮮民主主義人民共和国はグループCを3戦全勝、1位の成績で突破しベスト8進出。本日19時半から埼玉県の浦和駒場スタジアムで強豪米国と準々決勝をたたかう。
朝鮮の女子サッカー代表チームがFIFA主催の世代別世界選手権で優勝したのは06年のU-20ロシア大会と08年のU-17 ニュージーランド大会の2回。
今回の代表チームは直前に行われたロンドン五輪代表チームのメンバーが主体になっている。シン・ウィグン監督は五輪代表チームの監督を務めた人物。ユース世代の代表チームを長く指導した経験があり、優勝した06年のU-20ロシア大会でも代表チームを率いた。
朝鮮のユース代表チームは以前からさまざまな国際大会で好成績を残しているので、今回も期待が集まっている。
ロンドン五輪に出場した朝鮮代表は1勝2敗で残念ながらグループリーグで敗退してしまった。五輪代表チームは日本で行われるU-20ワールドカップに向けて一足先に帰国したのだが、帰国の様子はひっそりとしたものだった。ちょうどそのころ私は平壌に滞在していたのだが、空港で帰国した代表チームを偶然見かけた人によると、雰囲気はかなり沈んでいたという。
今回のU-20代表チームは五輪での雪辱を晴らすため、かなり気合が入っているはずだ。
一時の強さは影を潜めたとはいえ、いまだ強豪として知られる朝鮮の女子サッカー代表チーム。強さの秘密の一端は、1980年代から国内で女子サッカーの普及が始まって以来、国家的な関心の下で築いてきた育成システムにある。各小中学校にある女子サッカー部から優秀な人材が選抜され、平壌や地方にある青少年体育学校で練習し、そこで頭角をあらわした人材が各強豪体育団に引き抜かれる。また、学校のスポーツ部活動とは別に、2011年からはすべての小・中学校に「サッカー専門クラス」が設けられた。同年8月にはサッカークラスの第1回全国大会が開かれた。この大会で好成績を収めたチームの選手やめざましい活躍を見せた選手たちは青少年体育学校や体育団などへの推薦ももらうことができるという。朝鮮国内では女子サッカーは男子サッカーに劣らず注目度が高い人気スポーツだ。強豪チームによるリーグ戦も年間を通じて盛り上がりを見せている。エリート教育といえば確かにそうなのだが、それも裾野の広さがあればこそだろう。
ここ数年で世界の女子サッカー界の勢力地図は少なからず変化した。アジアでも日本が近年急速に力をつけ、前回のワールドカップで優勝、今年のロンドン五輪でも準優勝した。
朝鮮代表チームも近年、世代交替が進められ、五輪代表チームも顔ぶれが一新された。今大会に出場しているユース代表チームにもぜひがんばってもらいたい。あと3回勝てば優勝だ。(相)