「心の病」について知ってもらいたい―月刊イオ11月号が完成しました
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月刊イオもそうですが、定期刊行物というのは、決められた日にちに必ず間に合わせて作り続けなければいけないというところがツラい。
以前、新聞記者をやっていた人が、記者が引退した後、あまり長生きする人はいないという話をしていました。やはり、日々蓄積していくストレスが心や体を蝕んでいくのでしょうか。
自分自身を観察してみると、客観的に見てストレスの溜まる環境の中にいるのは確かですが、ほぼストレスは溜まりません。なぜだかよくわかりませんが、たぶん、①ストレス発散方法をもっている、②悟りを開いた、③特異体質、④優秀なスタッフのおかげ…の中のどれかが理由なのだと思われます。
しかし、日本では14年連続で年間の自殺者数が3万人を超えているそうです。自殺までにいたらないまでも、日々生きていくことにつらさを感じている人はものすごい数に上るはずです(比率でいうと韓国はもっと多いとのこと)。
というわけで、今日完成した最新の月刊イオ11月号の特集は「ココロのトラブルQ&A」。月刊イオでは初めて取り上げるテーマです。
心の病にはどういうものがあるのかということから、心の病に苦しむ同胞やその家族の姿や同胞専門家のアドバイスなど、また思春期の子どものことやドメスティック・バイオレンスの問題も取り上げました。
私が取材をした同胞医師は、アイデンティティが揺らいでいる人々が心の病になりやすいとしながら、多くの同胞たちは成長する過程で朝鮮人としてのアイデンティティを確立するのは容易ではない、日本社会で生きていくうえで様々な圧力を受けていることから、同胞は心の病にかかりやすいのではないかと言っていました。十分にうなづける言葉でした。
今回の特集の編集を通して一番感じたのは、いまの世の中で、誰しもが心の病を患う可能性があるということです。そして、同胞社会には心の病に対する知識不足から、様々な偏見や無理解が存在するのも現実で、今回の特集が少しでもその偏見や無理解をなくすことができればという願いも、このテーマで特集を組んだ動機になっています。
特別企画は「現状打開に向け法廷闘争へ」。9月20日に大阪朝鮮学園が補助金を不支給としたことに対して大阪府と市を提訴した問題を取り上げました。提訴に至る経緯などを明らかにしながら、大阪府と市が朝鮮学校への補助金をストップしたことの違法性を明らかにしています。また、「高校無償化」問題の現状も伝えながら、東京と大阪の保護者の声も掲載しました。
その他、平壌における日本語教育の現状についてや、福島朝鮮初中級学校での創立40周年行事なども掲載、11月号はいつにもまして豊富な内容となっているので、ご期待ください。(k)
この切り口は初めてでは
アイデンティティーというテーマについて、心の病という切り口からアプローチした試みはすくないとかんじます。当事者の思いの中で屈折した感情をいろんな切り口でアプローチすることは大切なことだと感じています。思いを代弁する立場を持ちながら適切なアプローチをすすめてください。
米田さまへ
コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、心の病の問題に限らず、当事者の思いを代弁できるよう慎重に様々な問題にアプローチしていきたいと思っています。