ソルマジ公演で出会った友
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先週の日曜日、友人の結婚式に参加するため日帰りで神戸へ行ってきました。
晴れて人生の門出を迎えた友人とは10年来の仲で、出会いは1999年。中学3年の冬、新潟です。
彼女とは、在日朝鮮学生少年芸術団として、毎年朝鮮で行われている迎春公演(通称:ソルマジ公演)に出演するため、約1カ月、朝鮮で寝食をともにしました。
日本全国から集まった私たち学生少年芸術団は、ソルマジ公演の舞台に上がるため、毎日人民文化宮殿に通って練習を積み、ホテルで共同生活を送りました。ちなみに宿泊先は、平壌ホテルから高麗ホテルへ、さらに羊角島国際ホテルへと、転々と二度も引っ越しした珍しいケース。おかげでいろんなホテルに泊まれてラッキー、なんて当時は能天気なことを考えていました。
ソルマジ公演は、朝鮮舞踊や民族楽器を学ぶ在日同胞の子どもたちにとって、他の地域の生徒たちとともに練習することで、互いに技術やモチベーションをあげる絶好の機会だといえます。なにより1ヵ月も親元を離れて、ほとんどの生徒が初めて体感する「祖国」で子どもたちだけで共同生活を送るというのは、それだけで特別なものです。
結婚式に招いてくれた彼女をはじめ、ソルマジ公演を通じて出会った日本全国の友人らとは、日本に戻ってきてからも、朝鮮学校で開催されるコンクールや行事などで再会し、社会人になってからも連絡を取り合ってきました。
ですが、出会って10数年、日本で過ごした時間を累計しても、朝鮮で過ごした1ヵ月にはるかに及ばない。それなのに、呼べる人数も限られている結婚式、人生の大事なシーンに招待してくれたことが本当にうれしかったです。私たちが共有する、朝鮮で過ごした特別な時間や、思い出が今でも私たちをつなげてくれているんだなと、改めてソルマジ公演に参加できたことに感謝感謝です。
ソルマジ公演には現在も毎年朝鮮学校の子どもたちが参加しています。朝鮮学校の生徒数が減少傾向にある中、今後もたくさんの子どもたちにソルマジ公演に参加する機会が与えられ、子どもたちには同じ在日同胞の友と、良い出会いをしてほしいと思います。
余談ですが、結婚式では朝鮮舞踊経験者ということで簡単な踊りを披露したのですが、「在日朝鮮学生少年芸術団の皆さんです!」と紹介されてしまって、非常にやりにくかったです(笑)。
帰りの新幹線の中で、また一つめでたい報せが入りました。次は本州最南端です。初めて行く場所ということで、せっかくなので何か取材もできたらいいなと、それまでにネタ探しでもします。(淑)