絵本「かあさん まだかな」
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今日は絵本の紹介をしようと思います。
韓国の絵本で「かあさん まだかな」という絵本。
この絵は某美術展で絵がすごく気に入って買った絵本。
内容は、かわいい男の子が「オンマ」(お母さん)を迎えにでて、
いつまでもいつまでも、
雪も降ってくるような寒さのなか、
鼻を赤くしてそれでも「オンマ」をじっと待つ話。
まだかな、まだかなという男の子のオンマへの想い、切なさがじんわりと伝わってくる
とても素敵な絵本です。
なんといってもノスタルジックな絵が素敵です。
昔の朝鮮の町並みがそこには描かれていて、
昔なんて私は知らないのに、どこか懐かしさを覚える絵です。
この絵本、もうひとついい点が最後にハングルの原文も載っているところです。
朝鮮語の独特な言い回し、ことばが良くて、絵とともに心がほっこりしてきます。
原文はやはりいいものです。
そして、最後男の子はオンマと無事に会えたのだろうか?
それはこの絵本をじっくり見た人だけにわかります。
もっとも私は最近になってそれがわかったのですが(笑)。
とてもおすすめな絵本の一冊です。(愛)
ノスタルジーの中の闇
以前私もこのテの韓国絵本を読んだことがあります。植民地時代朝鮮のお話で(愛さんの絵本もそうですか?)、なんということはない子どもの日常を追っていくだけなんですが、風俗描写が非常に興味深かったのを覚えています。
最後のページは晩ごはんを囲む主人公一家のいかにも幸せなひとコマでジ・エンド。…しかし私はそこで想像してしまいました。このラストショットから10年くらい後、主人公の一家はどのような運命をかこつことになるのだろうか、と。時代のその後を知るわれわれ大人からみれば、これは少々残酷な仕掛けだよなと思ったものです。
そしてさらに妄想すれば、「植民地という国」の中でとりあえず庶民的な幸福を得ているようにみえる登場人物たちは、「日本」という巨大な存在とどう折り合いをつけているのか(あるいはつけさせられたのか)が気になります。
著者たちが意識しているのかどうかは知りませんが、牧歌的な「植民地朝鮮時代モノ」の絵本は、ある意味非常にほろ苦いものを否応無く内包しているように思うのです。
長文失礼しました。
Unknown
(Kim Shirly)さま、コメントありがとうございます。
私が読んだこの本は時代が詳しく書かれていないので、
植民地時代のお話かはわかりません。しかし、私もこの本を読んで、なぜ「オンマ」は帰らないのだろうか、もしかしてずっと帰ってこないのでは等と色々想像してしまいました。
絵本は子どもが読むのと大人が読むのとでは、またちがった感覚で受け取れるので、おもしろいですよね。