朝鮮学校排除を目的とした省令改悪とパブコメ
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安倍政権が発足し、いち早く「高校無償化」制度を朝鮮学校には適用しないことを表明した。さらに、「高校無償化」に関する法律施行規則を変えて朝鮮学校を完全に排除しようとしている。排除にあたってその理由を「国民の理解を得られない」と言っており、そのためなのか、法律施行規則を変えるにあたり意見公募を行っている。見ると、その手法も「朝鮮学校」という名前を一言も出さず非常に狡猾でいやらしい。
このことに関する朝鮮新報の記事とブログの記事を紹介する。
朝鮮新報:〈高校無償化〉朝鮮学校完全排除を狙った「改正案」、文科省が意見公募http://chosonsinbo.com/jp/2013/01/0105th/
ブログ「緑の五月通信」
朝鮮学校の無償化適用見直し法案パブコメへの意見ーひとことで言うと、「恥を知れ」ということ
http://d.hatena.ne.jp/takamm/20130107/1357573573
ブログ「Arisanのノート」
無償化除外問題についてのパブコメなど http://d.hatena.ne.jp/Arisan/20130108/p1
大学受験資格において朝鮮学校だけを差別し各大学の判断に任せていること、新しい在留管理制度において国籍欄が「朝鮮」表示の者に対し「みなし再入国許可制度」を認めないこと、そして今回の省令による「高校無償化」からの朝鮮学校の排除の動き。
法・制度で公然と一定の人々に対する差別が行われ、それに対しマスコミも社会も疑問を抱かない。「法は支配者が人々を支配するための道具」という言葉を思い浮かべるが、それでも人々が営々と築き上げてきた人権というものを、安倍政権はひっくり返そうとしている(安倍政権にはじまったことではないが)。
朝鮮学校や在日朝鮮人に対する制度的な差別・弾圧はこれからどんどんエスカレートしていくだろうし、今後どんな制度的な差別・弾圧も可能だ。
われわれにとっては、まさに死活問題である。だから、座して何もしないわけにはいかない。例えば、「高校無償化」の朝鮮学校への適用をあきらめるわけにはいかない。
大阪と愛知で朝鮮学園や生徒らが「高校無償化」からの朝鮮学校排除に関連し裁判闘争を行うことが日本の新聞でも報道された。これまで、文科省をはじめとする関連機関への要請、デモや集会、街頭宣伝や署名集めをやってきたが、3年間、事態は好転しなかった。やむにやまれず裁判に訴える関係者らの心の中は憤りで溢れているはずだ。
安倍首相や下村文科相に、紹介した朝鮮新報やブログの記事を読ませても、カエルにションベン、何にも心を動かさないだろうが、しかし世論の声は政治家として少しは気になるのは間違いない。
今回の文科省の意見公募が、「アリバイ作り」的なものであったとしても、現在できることを一つずつやっていくという意味で、とりあえずこの意見公募に一人でも多くの人が、朝鮮学校排除の不当性を訴える意見を送ることが重要だと思う。ぜひ、一言でも二言でも書いて送ってください。(k)