革筆という民族伝統民画を知ってますか?
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2月号に朝鮮民族の伝統民画である革筆とその書き手である金公一さん(号は江流)を紹介した。革筆とは文字を美しい絵のように書くもので韓国での呼び名。北の朝鮮民主主義人民共和国では꽃글(コックル・花文字)と呼ばれている。朝鮮を訪問した人なら1度くらいは目にしたことがあると思う。
金さんは革筆の在日同胞唯一の書き手だという。取材のために資料をもらったり、いろいろと話を聞いたのだが、内容が知らないことばかりで興味深かった。また、それ以上に面白かったのが、実際に描いているところを見せてもらったことだ。特殊な筆に絵の具をつけて白い紙の上を滑らせると、色鮮やかな文字や絵が浮かび上がり、例えば「祖国統一」という言葉ができあがる。
一番最初に金さんの存在を知ったのは、金さんが「이어」という文字を書いてイオのフェイスブックに送ってくれたからで、また取材の後も、わざわざイオ編集部員すべての名前を革筆で書いて送ってくださった。下に紹介するのは、ちょっと小さいけれど「이어」の革筆と私の名前を革筆で書いたもの。私の名前は、苗字は読めるけれど、名前は読めないかもしれない。
革筆と金さんについては、ぜひイオの2月号を読んで詳しいことを知っていただきたい(28~29ページに掲載)。金さんは20年以上も前に韓国に住んでいたときに革筆と出会い興味を持つようになった。私が感心したのは、金さんが20年間も革筆に対する思いを持ち続け、実際に革筆を師匠から学んだのが50代半ばからだったということだ。興味を失わず年齢が行ってもチャンスを見つけて学ぶその意欲に驚かされた。
金さんが革筆を学ぼうと思ったのは、それ自体が素晴らしい民族芸能であり、その文化・伝統を継承しなければならないと思ったから。そして、今の一番の願いは革筆を朝鮮学校の子どもたちに教えることで革筆を守り広げたいということ。また、同胞の各種イベントで革筆を披露したいと思っているそうだ。イオ2月号には金さんの連絡先も明記してあるので、興味をもたれた方はぜひ連絡してもらいたい。
50代半ばから革筆という新しいことに挑戦した金さんの姿を見て、私も何か新しいことにチャレンジしてみようかという気持ちになった。例えばギターとか。(k)