3月25日は後楽園ホールへ
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大阪朝高ラグビー部の4年連続「花園」出場をはじめとして、近年、同胞社会ではスポーツが元気ですが、ボクシングも負けじと賑わいを見せています。
大阪朝高・李健太選手の「全国3冠」。そして昨年12月、金樹延選手がウェルター級で日本チャンピオンとなったことで、現日本スーパーフライ級チャンピオン・朴泰一選手とともに、現在、17階級中(日本では実質13階級)の2階級を同胞選手が制しています。
そんな中、至上初となる日本タイトルをかけた同胞対決が3月25日に迫っています。前出の日本王者・金樹延選手に、挑戦者・尹文鉉選手が挑みます。
私自身もとても楽しみにしているこの一戦。先日、試合を2ヵ月前に控えたお2人に日本王座にかけるアツイ思いをインタビューしてきました!
同胞対決に至る経緯をたどると、以前は別の階級だった両選手ですが、文鉉選手がスーパーライト級からウェルター級に階級を上げ、昨年10月の「日本タイトル挑戦権獲得トーナメント」(通称、最強後楽園)で優勝した矢先に、樹延選手がタイトルを獲得したことで、同胞同士が激突することになったのです。
2008年の全日本新人王決定戦では同時に新人王になり、何かと縁のあるこの2人。(※09年4月号の月刊イオに2人の足跡を取材した記事が掲載されています)その試合を当時私も後楽園ホールで観戦していましたが、あるシーンが印象に残っています。一足先に勝利を手にした文鉉選手は直後、後に続く樹延選手にリング上からエールを送ったのです。「勝ったことで樹延にいい形でバトンを渡せる。ぜひ応援してほしい」と。先日のインタビューで文鉉選手は、2人の関係を「運命の人」とドラマチックに表していました。両選手はインタビューで、同胞同士の闘いについて複雑な思いを抱きながらも「同胞のお祭りみたいにしよう」と約束し合ったと語ってくれました。
月刊イオ3月号では、両選手へのインタビューとそれぞれのプロフィール、在日本朝鮮人ボクシング協会の梁学哲会長による見どころ解説を加えてお届けします。在日同胞社会の歴史に残るであろう一戦を、より楽しむための一助にしてほしいと思います。そして当日は一人でも多くの同胞の方々が会場に足を運び、2人に声援を送っていただきたいです。
ちなみに文鉉選手への取材は東京中高で行ったのですが、毎週水曜日、東京中高では同校ボクシング部OBらと学齢前~中級部の子どもたちが練習に励んでいるそうです。あいにく取材日はちびっ子たちはテスト前だそうで不在でしたが、まだボクシングを始めて間もないちびっこファイターの中から、将来、先輩たちに続く素晴らしい選手が誕生するのが楽しみですね。(淑)