外国人学校合同絵画展
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今年で12回を数える「東京外国人学校合同絵画展」が5月17日から22日まで、東京・新宿にある都政ギャラリーで開催されました。
現在、東京都内には約5000人の外国人小学生、約3000人の外国人中学生が在住し、多くの子どもたちが外国人学校に就学しています。
同展は、外国人学校の存在をアピールし、多くの日本人に理解を得ると同時に、外国人学校同士の交流を深め、地位向上と権利拡充のために働きかけることを目的として2001年に始まりました。
今年は都内の朝鮮学校8校と、東京中華学校、東京インドネシア共和国学校、グローバル・インディアン・インターナショナルスクールの11校の児童・生徒らの作品、116点が展示されました。
自画像や風景画、学校生活、民族衣装。絵画展では、多様なテーマや表現、個性的な筆致で描かれた作品群を一同に見ることができ、それぞれの学校の日常生活や文化が反映された子どもたちの絵は、どれも楽しいものばかりでした。私はいろんな表情をした鬼面瓦と、ランドセルの絵が気に入りました(写真下)。
ギャラリーに足を運んだ日は東京中高の中級部の生徒たちも来ていて、会場はとてもにぎやかでした。
生徒たちはひと通り絵画を鑑賞したあと、他の外国人学校と朝鮮学校の作品の中で気に入ったものをそれぞれ一つずつ選んで、作品に対する感想と絵を描いたともだちへのメッセージを書いていました。感想文は絵を描いた本人に送るそう。用紙には自己紹介と似顔絵の記入欄もあり、趣味やクラブ活動のことなんかを書いている子が多かったです。
この取り組みは同校が毎年行なっているもので、他校からも同様の葉書が送られてくるそうです。文通みたいでいいですね。
中級部1年生のある女子生徒は、「日本に暮らす同じ外国人として、外国人学校に通う生徒たちがどんな学校生活を送って、どんな考えを持っているのか、会って話をしてみたい」と話してくれました。また、「絵を通して、日本には日本人だけじゃなく、外国人も存在しているということを伝えたい」とも話していました。
2001年から毎年行われてきた同展。2010年には10周年記念行事として上野動物園で合同写生会を行うなど、交流を積み重ねて来ました。
今年は準備の都合上、不参加でしたが、例年は韓国学校からも多くの作品が出品されてきました。今後、同じ民族同士の学校のつながりはもちろんのこと、他の外国人学校、そして日本の学校とのさまざまな分野での交流がいっそう深まり、違いを知り理解することで、それぞれの教育の現場がより豊かに彩られることを期待したいです。(淑)