先週日曜日から
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大阪に出張中だ。
連日の雨に強烈な蒸し暑さ。不快感は東京の比ではない。スーツにネクタイ姿の街行くビジネスマンには同情を覚える。
私は、といえば、そんな彼らよりはいささかラフな服装で仕事をこなしている。
滞在中は、地域の朝鮮学校に足を運んだほか、介護や飲食業に従事する同胞の取材などを行った。
現場ではみな記者をこころよく迎えてくれ、取材に協力してくれる。彼らの力添えあってこその現場取材だとあらためて思う。
見知らぬ土地で見知らぬ人と出会い、言葉を交わし関係を結ぶ。現場の貴重な声が思いもよらなかった気づきを与えてくれたり、更なる取材の「ネタ」を提供してくれることも少なくない。
「『イオ』読んでるよ」「あの記事がよかったね」
このたびの出張期間にも、そんな読者の声に接し、励まされた。一方で、厳しい意見も聞く。賞賛であれ批判であれ、読者の声こそが書き手、作り手のモチベーションになるのだなということを一層強く感じる。
「高校無償化・就学支援金制度」からの朝鮮学校排除や地方自治体の補助金打ち切り、生徒数の減少、苦しい運営など、朝鮮学校を取り巻く現状は厳しい。取材先でも、いい話を聞くことより悪い話を聞くことの方が圧倒的に多い。
メディアに携わる人間として、現状を変えるため自分に何ができるのか。厳しい現実や自らの力不足を嘆くだけでは何も始まらない。知恵を絞り、小さなことでも一つずつ実践していくしかないのだと思う。
まずは、残りの取材を済ませて、たまった原稿を書かねば…。(相)