キムチ販売と東京都の補助金
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ハッキョでは、年1回のバザーはもちろん、何かイベントがあるたびに、オモニ会が和菓子やアイスコーヒーを売ったり、ベルマークやインクカートリッジを集めながら、教育環境の整備に努めている。
最近、同級生がおいしいキムチを漬けていることもあって、初めてキムチ販売を担当したところ、保護者世帯数ほどの注文が入った。朝鮮の乾物屋はたくさんある訳ではないし、各家庭の食卓をお助けできたのでは、と手ごたえを感じる一方、その売上が2010年から止まっている東京都の補助金の100分の1にしかならないと思うと、ため息が出た。
東京では、街を歩くと至るとこに東京オリンピック招致のポスターが貼ってある。図書館に行くと、「東京オリンピックを招致しよう!」と書かれたしおりを5枚集めて、エコバックをプレゼントする、というキャンペーンをやっていた。アスリートのガンバリには感動を覚えるが、それがすべてオリンピック招致に回収されているのを見ると、何より、一連の招致活動に私たちの税金が投げ込まれていると思うと、招致に向けられた潤沢な資金と、ウリハッキョが置かれた窮状との落差に腹が立ってくる。ポスターや映像があふれている分、この暑い夏だけに沸いたやかんのような気分になる。
月刊「イオ」では、無償化排除から3年たったことを受け、緊急連載「朝鮮学校と日本社会」を始めたが、7月号では、朝鮮学校への補助金復活に尽力されている佐野道夫さんに原稿を書いていただいた。原稿には、東京都が朝鮮学校の教育内容を「調査」するため、補助金停止と期を同じくして都が「企画担当課長」「企画担当係長」という職を置いたことが紹介されている。
…朝鮮学校に対する東京都の補助金は全10校でわずか2000万円ほどです。しかし、課長、係長という二人の管理職を置けば、その人件費(二人の給与だけでなく、健康保険、年金等々の雇用者負担費用等も合わせれば)は2000万円を超えることでしょう。…(記事から)
外国人学校を支援する目的ではじめられた補助金が、各種学校の教育内容を調査する、という前代未聞の教育介入に、「真逆」の使い方をされている。
東京都が、都内の外国人学校に対して1995年から支給してきた「私立外国人学校教育運営費補助金」(一人あたり年額1万5000円)は、朝鮮学園に限って、2010年度分から凍結されている。都議会で朝鮮学校への攻撃が続くなか、2011年8月には要綱が改悪され、「知事が定めるまで対象から外す」という「朝鮮学校外しの恒久化」の措置まで取られてしまった。東京朝鮮学園や日本市民団体は、「朝鮮学校だけを他の外国人学校と区別する法的、合理的な区別は示されていない」として補助金の即時支給を求めている。
一般庶民が不条理にカットされた補助金・100万円を穴埋めすることがどんなに大変か。東京都はウリハッキョの子どもや保護者にも当然、税金による教育費を還元すべきだ。(瑛)
Unknown
>外国人学校を支援する目的ではじめられた補助金が、各種学校の教育内容を調査する、という前代未聞の教育介入に、「真逆」の使い方をされている
まったく、やかんが沸きに沸いてピーーーッと叫んだろかという気分(笑)にさせられる話です。「納税者としての在日コリアン」という発想を、都の役人どもはほんの少しでいいから持ってみろと言いたい。あたかも朝鮮人に「地面に穴を掘らせてまた埋め戻させる」(@ドストエフスキー)的な無駄な事業予算の組み方に、怒りを抱かない方がどうかしてます。
>一連の招致活動に私たちの税金が投げ込まれている
最近報道されていましたが、トルコやブラジルでは五輪やサッカーW杯の開催地という「栄誉」「ビジネスチャンス」を蹴ってでも、民衆が自国政府の失政にNOを突きつけました。それに比して日本社会は、あらゆる臭いモノに蓋をして空虚な五輪誘致フィーバーに誰も彼も酔いっぱなし…。「民度の差」としか言いようがありません。