灯籠流し
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もうすっかり猛暑が当たり前になってしまいました。1ヵ月後にはお盆休みで、私も実家に帰る予定を立てています。お盆といえば思いつくのが灯籠流し。私も毎年、灯籠をもってハンメと弟と3人で夜の川辺に向かいます。この頃になるともう北海道は涼しく、夜道を歩くと気持ちいいです。
ほのかな光を放って流れていくたくさんの灯籠は、見ていてなかなかじーんときます。わが家の灯籠がどれなのかいつも目を凝らして見届けようとするのですが、だいたい途中で他の灯りと一緒になってしまいます。「行くかい」とハンメが言うと、私たちは帰路につきます。灯りの余韻が残っているのか、帰り道はなぜか3人とも口数が少なくなります。
確か3年前のことなのですが、いつも通りの帰り道で突然ふわっと手を握られるのを感じました。見るとハンメが真ん中を歩きながら、両手に私たちの手を握っています。「こんな歳で手をつなぐのは…」とかなり恥ずかしかったのですが、考えてみるとハンメと手をつなぐなんてことは普段ないんだなということに気がついて、そのまま静かに帰りました。
次の年の帰り道でも、3人手をつないで帰りました。弟も恥ずかしそうにしながらも、ハンメに合わせてゆっくり歩いていました。そして去年。また今年もつなぐんだよねと、まだ少し恥ずかしい気持ちで準備していたのですが、まさかの最後までつながず。もしかしたら忘れていたのかもしれないと思いつつ、なんだか寂しいような、肩透かしをくらったような、そんな気分でした。でも、見ると弟もすこーしだけ片手を浮かせながら準備してあげていて、その姿がとてもほほえましく感じられました。
今年も例年通り灯籠流しに行く予定です。果たして今回は手をつなぐのでしょうか。(理)