同胞高齢者福祉
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イオ10月号がもうすぐ出来上がります。
最新号の特集は「同胞福祉」です。福祉の特集は2009年以来なので4年ぶり。その頃からどのような前進があり、また新たに浮き上がっている課題がなんなのか、福祉の現場を取材しました。私は09年時の制作には携わっていないので新鮮な気持ちで取り組みました。
私が主に担当したのは高齢者福祉の問題です。2025年には65歳以上の老年人口が推定3500万人の超高齢化社会を迎えると言われていますが、主要因となっているのが団塊世代の高齢化で、この世代にあたる2世世代の介護問題は、今後どうなっていくのか、という点に注目していました。
取材に当たった現場では、確かにここ数年で2世の利用者もちらほら見られるようになったものの、もっぱら後期高齢である1世の介護の充実化が喫緊の課題だというのが率直な実感でした。
足立区のデイサービス朝日では登録者の57人中、2世は7、8人。最年少は69歳とのこと。ちなみにスタッフの中にも同じ2世の69歳がいました。そのスタッフは「◯◯さん、私と同級生なの」と笑って話していましたね。
一般的に「老年」の定義は65歳以上を指しますが、中には元気で働いている人も大勢いらっしゃいます。高齢者福祉を考える上で、「高齢者とは誰なのか?」ということもまず考える必要があると思います。
介護保険制度が施行された2000年以降、総聯では同胞高齢者福祉への取り組みが本格的に始まりました。日本各地にデイサービスセンターが開設されましたが、それから13年。高齢化は進み、現場ではさらなるサービスの拡充が求められているようでした。その内容は本誌でご覧ください。
高齢化に伴い介護を必要とする人々が爆発的に増えれば、支援する側も相応の人口が要することは想像にたやすいですが、将来を見据えるとその量的なニーズは現在とは比にならない、と関係者は話していました。10月号を通して、普段の生活で介護とは少し遠いところにいる人にも、現場で奮闘する人たちの情熱が伝わり、関心につながればと思います。
余談ですが、我が家における高齢化を考えると、2年後に迎える父の還暦が目下の関心事です。父は白髪こそ増えてきましたが、還暦だなんて信じられません。
特集では高齢者だけでなく幅広く福祉の問題を扱っているので、ぜひ手にとって読んでください。(淑)