保護者会
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子どもを幼稚園や保育園、学校に通わせると、付随してついてくるのが、保護者会の活動です。子どもが3人となると、保護者活動も結構忙しいのですが、やることすべてが子どもに還元されるので、多少やりくりが大変でも、やり遂げてみると、やりがいを感じるし、そこでの経験や出会いが新鮮なので、結構ハマっています。日本の保育園で出会うお母さん、お父さんたち、ハッキョで出会う保護者たち、両方と接しながら、こう思います。
ハッキョのオモニ会では、一年中、四六時中、子どもたちのためや学校運営の足しになることに頭を巡らせている人たちがいます。夜会やバザーで何を並べれば売れるのか、どこから仕入れればいいのか。。。そのノウハウだけでも何か商売ができそうなくらい(笑)。そして、皆さん自分の特技や人脈を生かして、お金になりそうな物品を集め、特技に富んだ人たちを集めてきます。
今年、初めて役員をすることになった私は「修行中の身」ですが、一番驚いたのは、料理の仕込みでした。1000人の客を迎えた今夏の夜会やバザー当日の早朝には、「キムパプ部隊」なる精鋭たちが炊事室に集まり、黙々とキムパプを巻いていました。その静けさと手際の良さに息をのんだ新米会員の私。何より、キムパプの彩りの美しさに感動し、その売れ行きのよさに感動しきりでした…。
各種イベントでは、普段の家庭の料理からは想像できない大量を用意するので、それぞれの料理の材料は、資料で残しているのですが、難しいのがレシピです。そこで活躍するのは、在校歴の長いオンマたち。ヤムニョンチキンのタレ、豆腐ステーキのカンジャン…これぞ!という味を作り出した名物オンマたちの腕が客足を呼び、その作り方も年々引き継がれています。まさに、オモニ会伝統の味。
先日も120人分のカレー作りに立ち会ったのですが、大きな鍋を前に熱心にアク取りをする先輩オンマから、「大鍋で作る美味しいカレー」を伝授してもらいました。
どこのオモニ会もそうでしょうが、ウリハッキョの運営が中々改善されないなか、「いつまでエプロンおばさんをするの?」という議論があります。働きながら、家事をしながらの保護者活動は正直しんどい部分もありますが、学校運営が厳しいなかでは、この「エプロンおばさん」をやめるわけにはいかないのです。
ただ、「エプロンおばさん」に留まってばかりではいけない、と思うのです。ウリハッキョの運営が厳しい「問題の根本」を断ち切るための活動も保護者の仕事だし、先生方の働く環境をよりよいものにするためにも、次世代がもっと楽になれる学校運営を築いていかなくては、と思うのです。オモニたちとカレーを作りながら、買出しをしながら、時にこんな話をします。
今年度、わが校のオモニ会では、絵本の読み聞かせという新しいプロジェクトを始めました。授業が始まる朝の10分程度の時間に、オンマたちが各クラスに入って絵本を読みます。子どもたちにこの読み聞かせは好評で、来春には人形劇を開くとのこと! このプロジェクトを熱心に進めているオンマは、読み聞かせに取り組む地域の日本の方や同胞とセッセと会い、絵本も熱心に集めていて、その行動力とパワーがたくさんのオンマたちを引き寄せています。
そして、もうひとつ、来春にオンマたちは、「オリニのためのコンサート」を企画しました。同胞社会が誇る世界的な民族楽器奏者を招き、親子で民族楽器を楽しみます。
親子で楽しむコンサートは日本の各地で開かれていますが、子ども向けの「朝鮮の民族楽器を楽しむ音楽会」は、そうたくさんある訳ではありません。今から出演者や演出家の方々と膝を交えながら、舞台にあげる演目をピックアップしていきますが、ここもオンマたちの腕の見せ所。小さい子どもたちを飽きさせず、ドキドキしてもらえるようなコンサートにしたいと思っています。チラシやチケット販売もこれからです。
地域の皆さんと知恵を出し合いながら、みんなの力でコンサートを作り上げたいと思っています。(瑛)