今日がヤマ場?
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6日の会期末を前に、国会に緊迫感が増している。特定秘密保護法案の採決・成立をめぐって、だ。
自民、公明両党は5日の参院国家安全保障特別委員会で同法案の採決を強行し、与党の賛成多数で可決した。これに続き、同日夜の参院本会議に法案を上程したが、民主党など野党が猛反発。与党は今国会期末の今日(6日)午後、参院本会議で法案を採決し可決・成立を図る構えで、法案を巡る攻防は大詰めを迎えている。
秘密保護法は日本国民はもちろん、私のような外国籍住民にとっても決して他人事ではない。報道機関の取材の自由、知る権利の侵害、不当逮捕・処罰、個人の自由侵害、平和主義の否定、民主主義の基盤破壊…いくつもの懸念が浮かぶ。各種世論調査では反対や慎重審議を求める声が多数を占めている。メディア、識者、市民団体も廃案や慎重さを求めた。「特定秘密保護法案に反対する学者の会」が出した同法案の廃案を求める声明に賛同する学者は2000人を超えている。アムネスティ・インターナショナル日本、反差別国際運動、日弁連など人権NGO6団体も「人権侵害の危険性をはらむ」と強い懸念を表明している。
そもそも内容が曖昧すぎて、濫用の危険が大きくないか? 「何が秘密かは秘密」というような法なんて成立させていいのか。内容もさることながら、数の力に物を言わせる強引な手法にも危険を感じる。
結局、政府に都合の悪い情報は外交、軍事にかぎらず秘密にしようという魂胆なのだろう。自民党の石破茂幹事長が先日、自身のブログで「デモの絶叫戦術はテロと本質的に変わらない」という趣旨の発言をした(後日、テロ云々の部分は撤回したようだが)。民主主義にとって重要な平和的デモをテロと同視するような発言をする人物が政権与党の中枢にいることからして、まともな法律の運用など期待薄ではないか。
昨日、午前中の出先での仕事を終えた後、職場に直帰する予定を変更して電車を途中下車、抗議行動のようすを記録するために国会へ向かった。国会議事堂周辺には昼過ぎの時点で多くの人々が集結していた。
報道では、今日がヤマ場だという。「時すでに遅し」とは思いたくない。