「無償化」適用は市民の支援の下に
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今回の愛知出張では、2月4日に行われた「無償化」裁判の第5回口頭弁論も取材してきました。冷たい雨の降りしきる名古屋地裁前。傍聴券を手にするために、同胞や日本の方々は完全装備で建物の外に並ぶ一方、私は長袖のニットの中にタンクトップ1枚という超薄着でした。というのも、名古屋ではずっと温かい日が続いていたので「ダウンは暑いかもな…荷物にもなるしいっか」と、駅のロッカーに預けて現地に向かったのでした。
1人だけありえない格好の人間に、愛知の人々はあたたかく接してくれました。日本の方はマフラーを巻いてくれ、同胞は傘をくれ、そして抽選にもれた私に「取材のために来たんでしょ」と、朝青愛知のメンバーが傍聴券までくれました。
第5回口頭弁論では、原告の意見陳述が行われました。朝高生時代はサッカーに明け暮れたという卒業生の原告は、日本学校との練習試合の最中に差別的な言葉を投げかけられたのがとても悔しかったと話しました。また、朝鮮学校について理解のない社会に少しでも理解を広げるために原告になることを決意したと話していました。
裁判後の報告集会では、さまざまな人が愛知での裁判運動について意見をのべていました。その中でも印象的だったのは、ある日本の方が「朝鮮学校の学生さんたちに詩をプレゼントしたい」と、自作の詩を発表されたことです。とても温かく、いい詩なのでこちらで紹介したいと思います。
「半島と列島をつなぐのは海/반도와 렬도를 잇는것은 바다/海を渡るのは人間/바다를 건너는것은 인간/海は裂け目のない心だから/바다는 짖어짐이 없는 마음이기때문에/私たちはきっと出会うだろう/우리들은 꼭 만날수 있다/飛ぼう、出会おう/날자,그리고 만나자/もっと自由に、もっと豊かに/더 자유롭게,더 풍요롭게/一切の差別を越えた水平線で/모든 편견을 넘어선 수평선에서/一切の国境を越えた地平線で/모든 국경을 뛰여넘어선 지평선에서/우리들의 바람、我らの風よ、그날을 위해、その日のために 불어라!」
日本語と朝鮮語で交互に、これらを全て「そら」で詠んでいたので、とても驚きました。朝鮮語訳はご自身でされたのでしょうか。とても強く美しい詩だな、と感じました。
市民の日朝友好のために実際に運動に加わり、声を上げている人がたくさんいます。実際にその場に行って、同胞や日本の方々の声を聞いたり取り組みを見ていると、本当に色々なドラマがあります。「無償化」適用のためには、支援の輪をどれだけ広げられるかが大切だと思います。各地で争われている「無償化」裁判についての理解が少しでも広まるよう、私が目にしたたくさんの「ドラマ」を、これからも伝えていきたいです。(理)
差別と闘って
先日、図書館から「わが心のカツラの木」北原きよ子著 岩波書店 を借りて読みました。著者はアイヌ民族の方で、幼少の頃から、筆舌に尽くしがたい差別を受けてきました。かくいう私も、障碍者として、物心がついた頃から、近所の人から親戚の人から、もう障碍者差別を受けてきました。在日コリアンの方々も、何十年かもっと前から差別を受けて、今でも様々な迫害を受けていますね。私も、残りの一生を差別されて生きていくのでしょう。やたらに人を信用しないようにしています。しかし、アラフィフの後半となった今、もう、差別をする奴らとは、極力接触しないようにしていますし、又、ある程度は、開き直っています。私の寿命も後数年。病気の人や障碍者の人たちには、極力親切にして上げようと思っています。又、在日コリアンの方々やアイヌ民族の方々、被差別部落の方々、その他マイノリティの方々で、様々な差別を受けている方々には、極力親切に親切にして上げるつもりです。