切り裂かれた「アンネの日記」
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既報のように、世界的ベストセラーの「アンネの日記」およびその関連図書のページが大量に破られるという被害が昨年から今年にかけて、東京都内の公立図書館で相次いだ。
このショッキングな事件を初めて伝えたのはインターネットメディアのハフィントンポスト日本版の2月20日の報道。それによると、被害は少なくとも250冊以上で、範囲も新宿、杉並、豊島、中野、練馬など23区だけでなく東久留米、西東京など市部にも及んでいる。その後、都内の某大型書店や神奈川県でも被害が報告された。
ご存知、「アンネの日記」は第2次世界大戦下のオランダでナチスのユダヤ人迫害から逃れるために屋根裏に住んだ少女、アンネ・フランクがつづった日記。たぶん、この作品を知らない人はいないだろう。絵本や児童書としても出版されているので、誰しも幼い頃に一度は手に取って読んだことのあるのではないだろうか。被害規模が広範囲にわたっていることもあって、ニュースに接した私も少なくない衝撃を受けた。
事件を受けて、警視庁が捜査本部を設置するなど、警察は本格的な捜査に乗り出している。一刻も早い事件の解決を願わずにはいられない。
事件発覚後の一連の動きの中で、私が恐ろしさを感じたのは、現在まで犯人が捕まっておらず、犯行の動機などについても不明であるにもかかわらず、インターネット上などで特定の民族や集団の犯行への関与を根拠なく仄めかす発言が少なくなかったことだ。たとえば、衆院議員・中山成彬氏(日本維新の会)の
https://twitter.com/nakayamanariaki/status/436983730209435650
など。
犯人の素性やその動機に関心が集まるのは当然かもしれないが、まだ何も明らかになっていない状況で、権力の側にいる人間が自らの悪意に満ちた偏見をたやすく拡散させていいものなのだろうか。(相)
Unknown
この事件に関しての日本政府の素早い反応と報道量の多さは、ある意味驚くべきものがありますね。
なにせ、在特会のヘイトデモにも連中の京都朝鮮学校襲撃にも、その後に起こった神戸朝高への不審者侵入事件についてもほとんど無視・放置を決め込んでいた連中が、東京都内で「世界的に著名なホロコースト犠牲ユダヤ人の手記が大量に破損された」となったとたんに、この慌てようなんですから。
おまけに、テレビでは報道でもワイドショーでも、事件の背景について大した掘り下げをするわけでもない。ふつうのネットユーザーで、最近の日本における排外主義の傾向をある程度知っていた者なら、今回の事件と「嫌韓・嫌中」意識は背景を一にしているのではないか、という程度の推測は誰でもしているわけです。テレビの偉そうなキャスターやらコメンテーターやらは、その程度の分析力もないのか!(笑)
ある知識人のツイートによれば、今回の事件で「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」が動いたのは(そして海外メディアが一斉に素早く事件を報じたのは)、日本における極端で排外的なナショナリズムの高揚傾向を海外各国が危険視していることの表れ、とのことです。
まあ「ホロコースト否定論」は現代世界(特に欧米)において絶対許容されない言説・思想ということもあるでしょうが、日本政府は海外各国に警戒の目を向けられていることを察知しているからこそ、電光石火の反応を見せ火消しに躍起になっているのでしょう。
それにしても、本記事中にある中山成彬氏のバカげた陰謀論的見解は、ネット上の嫌韓バカたちにも広く共有されています。
彼らは「愛する日本」が、再び「世界の孤児」となることを覚悟のうえでそうした言説を口にしているんでしょうかね?
アンネフランク読書会
許せない所行ですね!
このたび、FBで知り合った読書仲間の呼びかけで「みんなでアンネ・フランクを読もう!」というイベントに参加することにしました。
周知のように、現在、東京都の図書館にて『アンネの日記』及びアンネ・フランク関連の書籍が切り裂かれているという犯行が起きています。
被害状況は、都内の8自治体、38図書館、書籍数308冊。(2.26現在)
一般のユダヤ人迫害に関する書籍も被害に遭っていることから、おそらくユダヤ人迫害に関する書籍を狙った犯行と思われます。
犯人が何故このような悪質な行為に及んでいるのか、意図は分かりませんが、決して許されることではないことは明らかです。
そこで、アンネ・フランクという15歳で亡くなった少女が遺したものは何を伝えているのかを考えようというコンセプトで、「みんなでアンネ・フランクを読もう!」という企画です。この企画で何らかの意思表示をできたらという願いもあります。
Unknown
「アンネの日記」という本を破る感性は「瞬時に」日本人のものとは思えないけど、本を通じてホロコースト否定論を展開するのは「瞬時に」日本人だと認知できるんでしょうねぇ、
この底抜けのレイシストは。