漫画の中の在日朝鮮人
広告
月刊イオの5月号が明日、完成します。
このブログでも何度か触れられましたが、特集のテーマはお弁当。朝鮮学校の場合、小学校からお弁当を持たさなければいけないので、保護者の方はたいへんです。少しでも役立てられればと企画しました。
5月号のもう一つの特別企画が「漫画の中の在日朝鮮人」。日本において漫画は非常に大きな文化のジャンルの一つとなっています。週刊や旬刊、隔週、月刊と書店には漫画雑誌が溢れ、多くの漫画が日々、生まれています。描かれていないジャンルはないと言っても過言ではないでしょう。しかし、在日朝鮮人が重要なファクターとして登場する漫画はさほど多くありません。
今回の特別企画では在日朝鮮人や日本軍「慰安婦」問題などを扱った8つの作品と1冊の作品集を紹介しています。
編集過程の中で注目したのが、手塚治虫、水木しげる、つげ義春というビッグネームの作品です。手塚治虫以外の作品は単行本の中に収録されており、すぐに読むことができます。
3つの作品を読んでひとつ注目したのは、「在日朝鮮人」「朝鮮人」「朝鮮料理」「朝鮮語」など、「朝鮮」という言葉が普通に使われているということです。それぞれ、発表年は、1970年、1969年、1981年となっており、一番新しいつげ義春の作品でも30年以上が経っています。その時代は、「朝鮮」と言うのは当たり前だった。
立命館大学の徐勝特任教授は、月刊イオでの連載「在日同胞とわたし」で、日本社会の中で、日本人や在日朝鮮人の心の中で、「朝鮮」という言葉が「タブー」となった歴史的な経緯に言及しながら、次のように書いています。
「…「朝鮮」という言葉に対する抑圧とタブーには、植民地意識と反共・分断意識と支配の論理が発露している。人権が、そして人としての尊厳の主張が、「抑圧され、奪われた者の叫び」であるとするなら、「朝鮮」が、日本において抑圧され、憎まれ、蔑まれる限り、私は「朝鮮」を言い続ける理由はあると考える。「朝鮮」は解放されなければならない。」
最後に、今回の特別企画である漫画家にお会いしインタビューすることができました。前から一度お会いしたいと思っていた方なのでうれしかったです。
特別企画「漫画の中の在日朝鮮人」、そして月刊イオ5月号、ご期待ください。(k)