キトラ古墳展
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みなさん、今年のゴールデンウィークはいかが過ごされましたか。
世界卓球2014東京大会の取材に休日の半分を奪われた私ですが、連休最終日の6日、東京・上野にある東京国立博物館で開催中のキトラ古墳壁画の特別展に足を運びました。
キトラ古墳は7世紀末~8世紀初めに現在の奈良県明日香村に築かれた古墳。1983年、石室内の彩色壁画に「四神」の玄武が発見されたことで、72年に発見された高松塚古墳の壁画に次いで2例目となる大陸風壁画古墳として注目を集めました。その後の調査で残りの青龍、白虎、朱雀のほか、天文図、十二支像などが確認されています。2000年には国の特別史跡に指定されました。カビなどの被害がひどいため、壁画は現在、はぎとられて別の場所で保存されています。
今回の展示では、「四神」のうち白虎・玄武・朱雀、「十二支」のうち、子・丑がお目見え。壁画発見以来、明日香村以外で公開されるのは今回が初めてのことだそうです。
4月22日の開会前から見たいと願っていた特別展。開会から連日大盛況が伝えられていましたが、「行くなら今しかねぇ」とばかりに、連休中の大混雑も覚悟して足を運んだ次第です。
現地着は正午過ぎ。昼食どきはそれでも空いているかな、という何の根拠もない予想に身を任せたプランだったのですが、とんでもない。博物館前の案内板には「ただいま入館80分待ち、入館から特別展会場まで30分待ち」という、気持ちを萎えさせるような文字群が。一瞬、日を改めようかという考えも頭をよぎりましたが、「せっかくはるばる来たのだし…」ということで、建物の入口から長くのびる行列に意を決して加わりました。
入館までは博物館側の推定どおり本当に80分ほど待ちましたが、入館後は比較的スムーズに会場までたどり着き、観覧することができました。
レプリカとはいえ、悠久な歴史を今に伝える壁画群は圧巻の一言。10年前、平壌郊外の古墳内でホンモノの四神図を拝んだ時の感動には及びませんが、存分に堪能いたしました。
壁画は、2016年度をメドに国土交通省が国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内に新設する予定の壁画保存管理施設における保存公開を目指して修理が行われているとのこと。
特別展は今月18日まで。都内および近郊にお住まいの方は行ってみてはいかがでしょう。このチャンスを逃すと、しばらく見ることができないかもしれません。観覧料金900円はお得です。(相)