迷惑な乗客
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先日、共同通信による次のような内容の記事をネット上で見かけた。
日本民営鉄道協会によると、大手私鉄16社の駅や電車で起きた駅員や乗務員への暴力行為が2013年度は218件にのぼったという。12年度より13件減ったが、08年度から6年連続で200件を超えた。同協会の調べによると、暴力をふるった客の68%が飲酒していたという。被害に遭ったきっかけは「理由なく突然に」(30%)、「酩酊者に近づいて」(26%)、「迷惑行為を注意して」(23%)の順で多い。発生時間は午後10時から終電の間が44%で、曜日別では土曜が17%と最も多い。
ホームや改札で駅員が乗客にからまれる姿は私もよく見かける。暴力にまで至らなくても、駅員に対して高圧的な態度を取るケースは少なくない。自分のイライラや不満を駅員にぶつけたり、自制できなくなるほど酔っぱらって醜態をさらすのは大人としていかがなものか(もちろん、未成年ならいいというわけではない)。
ほかに、飲食店の店員など客商売の人に対して偉そうな態度をとる人も少なくないが、これも正直見苦しい。その人がどんなに仕事ができてお金を持っている人でも、そういう態度を見ただけで幻滅してしまう。
なぜこんな話をしたのかというと、数日前、公共交通機関で自分本位の迷惑な客を目にしたからだ。夜遅く、帰宅途中のバスに乗るときのこと。発車時間が来てドアが閉まると、バスはゆっくりと走り出した。しばらくすると、数人の中年男性酔客のグループがすでに発車し停留所を離れてだいぶ経つバスを追いかけてきたのだ。運転手は無視していたのだが、そのグループはバスに追いすがり、手を振りながら乗せてくれというジェスチャー。運転手はたまらずバスを停めると、ドアを開けた。「迷惑な客だなぁ」と思っていると、その運転手は酔客たちに向かって、「バスはあなたたちのタクシーではない」と一喝。乗客の冷たい視線も一身に浴びた彼らはバツが悪そうに引き下がった。(相)