51万9735人
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昨日、校了が済んだ7月号の特集は、「集まれ!趣味人」。
この企画を通じて、色んなトンポに出会うことができました。
フラダンス、太極拳から派生した柔力球、日本酒やフード関係の資格を続々と取得し、地元で採れた野菜を各地に発信している女性、また息子のサッカ―応援がきっかけとなり、オモニサッカークラブを立ち上げた人も。締め切りに追われパソコンに向かう時間が多いせいか、中々肩こりが治らない私にとって、趣味を謳歌する方々はとってもまぶしく見えました。
さて、イオは日本全国、世界各地の同胞をたくさん紹介しますが、「こんな同胞がいたの?」「どういう意図で、〇〇さんを紹介したの!」という反響など、時に編集部が予想しなかった声が届きます。
編集部としては、紹介した責任があるので、どの意見もきちんと聞かなくてはと思いつつ、紹介する「意味」を考えさせられることも少なくありません。
最近は、取材での出会いが「最初の一歩」だと感じることが増えました。「イオを久しぶりに見た」「初めて見た」と言う方が珍しくないからです。
Jリーグなどプロサッカー選手を一挙紹介した4月号の取材の際も、イオを手に取るのは久しぶり、という声を取材者全員から聞きました。安英学選手もその一人で、在日の選手たちを、知り合いに紹介したいと、周りにイオを配ってくれました。来年度に向け、新しい連載を立ち上げようと、思い立つきっかけにもなりました。
数年前に就職問題を特集した際に、上場企業にお勤めのトンポを紹介したときは、編集部に5件の電話が入りました。
「電○にお勤めの金○○さんの話を聞きたい!」という、電話先の大学生たちの声はどれも必死。当然ですよね、社会人としてのスタートをどこで始めるか、という大事なのですから。
ありがたいことに、金さんは「どうそ、連絡先を伝えてください」と協力してくれました。その後、就職がどうなかったのかは気になるところですが、紹介することで何かお役に立てたら嬉しい限りです。
日があたっても当たらなくても「コツコツとがんばっている人を紹介してほしい」というお叱りもよく受けます。地域で何十年と同胞社会のためにがんばっている方がいるんだぞ、と。目に見えないもの、見えにくいものが、地域にはたくさん転がっている、あなたは大切なことに気づいているのか、というお叱りです。
法務省発表の統計には、日本に暮らす「韓国・朝鮮」籍者の数が2013年末現在、51万9735人とありました。
この数字から零れ落ちる人として、最近気になっているのは、日本国籍取得者、保持者です。
国籍が違うことで見える景色も違ってくるのでしょう。
選挙のたびに投票は行くのでしょうか。家族の中で国籍の違いをどう受け止めているのでしょうか。
最近、警察が千葉県などで「朝鮮籍同胞」の運転免許の国籍欄に「北朝鮮」と表示した話が東京新聞のトップを飾っていましたが、「朝鮮籍」の私は日本での生きがたさを感じる反面、レアケースで希少価値だな、と感じています。いつか、「朝鮮籍同胞」が海外旅行でどんなハプニングが遭ったのか、という企画もしてみたい。
国籍を通じて見えるものあれば、そうでないものもたくさんある。何をフィルターにすえればこの社会の見えないものが見えてくるのか。最近、少なめの読者カードを見ながら、考えにふけっています。
編集部はいざ、8月号の作成に向け、動き出しました!(瑛)