群馬県朝鮮人強制労働犠牲者追悼碑、県が許可せず
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群馬県高崎市の県立公園にある朝鮮人強制労働犠牲者追悼碑について、4月23日の日刊イオで撤去の危機にあることを書きました。
「群馬の朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑の存続の危機に―政治的とはどういうことか」
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/43fa2f2dc83dae3b39c51672b6b3433b
また、2011年7月6日には「松本龍復興担当相の辞任と朝鮮人強制連行犠牲者の碑」http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/88dd96e2328cbf698dbdf824668babc7というタイトルで碑が建立されるに当たっての守る会と県との交渉について書いています。
7月22日、群馬県は設置許可を更新しないことを決定しました。つまり撤去せよと言っているわけです。
毎日新聞、2014年07月23日の地方版(ネット)は次のように報じています。
「県は22日の記者会見で、不許可の理由について(1)過去に碑の前で開かれた集会で参加者の政治的発言があり、「政治的行事を行わない」と定めた設置許可条件に違反したこと(2)一連の発言によって碑が政治性を帯び、2012年に碑の撤去を求める団体が碑前で集会を開いたこと−−から、県民が憩う都市公園にふさわしい施設ではなくなったと説明した。
県によると、県が「政治的発言」としたのは、04年の除幕式と05、06、12年に碑前で開かれた追悼集会での守る会会員や来賓による「碑文に謝罪の言葉がない。今後も活動を続けていこう」▽「強制連行の事実を全国に訴え正しい歴史認識を持てるようにしたい」▽「戦争中に強制的に連れてこられた朝鮮人がいた事実を刻むことが大事」▽「日本政府の謝罪と賠償、日朝国交正常化の一日も早い実現」−−などの発言。県は一連の発言を、集会の様子を報じた在日本朝鮮人総連合会の機関紙「朝鮮新報」の記事で確認したとする一方、守る会の追悼集会や12年の別の団体による碑の撤去を求める集会が行われた際に、県に苦情が寄せられたかどうかについては「確認していない」とした。
県の設置不許可の姿勢は、有識者から「憲法上の表現の自由を侵害する恐れがある」と指摘されている。これに対し県は「論争や表現の自由を否定するものではない」としながらも、「都市公園内の碑が論争の対象になることはまずい」との認識を示した。」
毎日新聞が伝える「碑文に謝罪の言葉がない。今後も活動を続けていこう」以下の「政治的発言」というものを見てどう思うでしょうか? 至極まっとうで当たり前。正当で文句の出る余地のない発言だと思うのですがどうでしょうか? 個人がどんな場であれ、こういう発言をすることが何か問題となるのでしょうか? 今の日本では問題となるようです。また、「都市公園内の碑が論争の対象になることはまずい」という認識もまったくおかしい。本来、歴史修正主義者のいちゃもんなどは一蹴しなければいけないものです。
県は最悪の結論を出したわけですが、日本の今の社会状況を本当に象徴する事件だと言えます。歴史修正主義者たちの抗議に屈服したというよりも、今の日本は中央政府から地方自治体までが、進んで過去の歴史を捻じ曲げるように動いているということです。それを支えているのは日本の世論です。自分たちが被害者だという「拉致」のことは騒いでも、過去、百万単位の朝鮮人を拉致して、強制労働の末に殺したり性奴隷にしたことはなかったことにしようとする。
これまで、日刊イオで何度も同じようなことを書いてきたのであまり繰り返しません。
碑を建てた守る会では、県の決定は絶対に受けいられないと、今後、法廷闘争も考えているようです。
月刊イオでもこの問題を改めて取材し掲載したいと思っています。(k)