「在日朝鮮人スポーツ史年表」
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今日は「在日朝鮮人スポーツ史年表」(琴栄進著)という本を紹介したいと思います。今年6月15日に出されたもので、制作過程に当たって、筆者との関係もあり、私もいろいろと手伝いました。
題名の通りの内容で1905年からの在日朝鮮人のスポーツに関する出来事が年代順に網羅されている本です(スポーツに関係なくても大きな出来事は掲載されています)。特に、解放後の年表が素晴らしい。オリンピックのことから朝鮮学校の種目別のスポーツ大会のことまで、細かな情報がぎっしりと詰まっています。解説のようなものは極力少なくして、純粋に年表と資料とで編集されているのがシンプルですごく良く、貴重な一冊となっています。
例えば、朝鮮民主主義人民共和国からスポーツ代表団がいつ日本に来たのかも、すべて知ることができます。この本の「朝鮮スポーツ代表団の来日記録」を見ると、朝鮮の選手が初来日したのは1963年2月で、軽井沢で行われた世界スピードスケート選手権大会に参加するためでした。
1990年代に入るころに最も訪日するスポーツ選手団の数が増え、91年に24団体、92年に28団体が来日しています。朝鮮では珍しい野球代表団や水上スキー、ソフトテニス、カヌーといった種目の選手も来ています。92年がピークとなり、徐々に減って行き、2000年以降は数えるほど。日本が不当な「制裁措置」を実施してからは、日本の大会組織委員会が朝鮮に対し「参加を控えてほしい」と言ってきたり、朝鮮選手団の入国を拒否するという不当な態度を取っていることがわかります。
その他の資料では、日本のスポーツ代表団の訪朝記録や在日選手たちの祖国訪問記録、北と南のスポーツ交流の記録など、スポーツを通しての様々な関係を知ることができます。
このような年表、資料集は、地道で長い努力がなければ作ることはできません。私は今後、手元において活用したいと思っています。皆さんもぜひ、手に取ってください。「在日朝鮮人スポーツ史年表」に関する連絡先は在日本朝鮮人体育連合会(03-3816-4357)です。(k)