だれもがいきいきと生きられる社会のために
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まずはこちらをご覧下さい。→https://youtu.be/GcL1knZDzhY
約7分半の映像で、イオ6月号でも紹介した「日本軍性奴隷制の否定を許さない4.23アクション~奉奇ハルモニを記憶して~」の当日のようすをまとめたものです。場の雰囲気や参加者たちの声から、歴史の歪曲を許さないという強い思いがより鮮明に伝わってきます。記事を読んだ方も、同アクションについてあまり知らない方も、ぜひ一度。
アクションは、在日本朝鮮人人権協会の性差別撤廃部会が主催しました。20、30代の同胞女性たちを中心に活動しており、昨年は同胞社会におけるジェンダー問題について連続講座も開きました。昨日、その部会による経験交流会が開かれ、上記のアクションのほか様々な取り組みが発表されました。
朝鮮大学校の文学歴史学部で教鞭をとる金真美さんは、「民族教育の現場における性差別撤廃の取り組み」と題して、文学を通してジェンダー問題について考え、自分たちや自分たちの社会の課題を見つけ出そうとするなど、学生たちとの学びの課程を話してくれました。一方で、ジェンダーについての認識が広まると共に、浅い知識しかないために「ジェンダー」という言葉を軽蔑の意味で使っている人たちも同胞社会に少しずつ出てきたことをのべながら、「それ自体が性差別の問題を無視して、性差別に加担していると思わざるを得ません」と指摘しました。このような発言に無力化されてきた人々を励ます言葉だな、と感じました。
李杏理さんは、当日参加することが出来なかった李イスルさんに代わり、上記の4.23アクションについての報告を代読しました。李イスルさんはアクションを終えた感想について、「人権、歴史問題というと何だか大げさな感じがして、それは自分にできることじゃないと思っている人が多い気がしますが、そんな中、普通の在日朝鮮人女性たちが、自分たちの生き難さがなにゆえなのかを学び、その中でこのアクションを企画し、やりとげることができた意義は本当に大きいと思っています」と綴っていました。
ゲストとして参加した申嘉美さんは、夫婦ともに日本学校を出た自分が、子どもを朝鮮学校に送った理由や、「高校無償化」除外に抗議する「金曜行動」に参加しての感想、民族教育や同胞社会の現場で感じる性差、違和感などについて話してくれました。例えば子どもが何世かを数える時に、父親の家系だけを見て決められることに素朴な疑問を感じて母親の代について聞くと、「母親は関係ありません」と言われ大きな違和感を受けたそうです。
また、人権協会事務局の金優綺さんは、部会が初めて作成した本について紹介しました。タイトルは「だれもがいきいきと生きられる社会のために」。冒頭に書いた連続講座の記録と、同胞150人を対象に行われた「在日同胞のジェンダー意識に関するアンケート」の結果報告書が収められています。本の詳細は、ぜひ以下のURLで参照して下さい。→https://www.facebook.com/HURAK.SCCP/posts/492881337526074
連続講座の記録は、ジェンダーとは何か?という初歩的なこと、そこから派生するさまざまな問題についてわかりやすく知ることができます。アンケートの結果報告は、同胞たちの問題意識をリアルに知ることができる作りになっています。冊子についてはイオ8月号でも紹介します。(理)