インターハイと朝鮮高校
広告
東京朝鮮高級学校サッカー部のインターハイ初出場に「王手」をかけた東京都予選準決勝(6月20日)には、長野や宮城などの遠方からも同胞たちが応援にかけつけ、熱い声援を送っていた。
対関東第一高校戦を0-0で終えた前半。後半は2失点。どうにか奪い返そうと、朝高は走りつづけ、試合終了間際に渾身の一点を押し込んだ。ゴールを決めた瞬間のホイッスル――。
陽射しが照りつけるなか、ひたすらにボールを追い続けた選手たち、そして、バックスタンドで声援を送りつづけた部員たちは、最後まであきらめることなく、闘い続けた。本当に立派だった。
朝鮮高校がインターハイに出場するようになり、21年がたつ。団体競技での出場は、東京朝高にとって悲願だ。
各種全国大会への門戸開放は、朝鮮学校の実力を目に見える形で浮き立たせているが、生徒数や財政面では日本学校の比にならない朝鮮学校がトップにのぼりつめることが、どれほど大変なことか。
この5年間、無償化制度から朝鮮高校がはじかれるなか、生徒、保護者、指導者たちが積み重ねて来た「努力の日々」、だからこそかみしめたであろう、「悔しさ」を思わざるをえなかった。
久しぶりに訪れた母校の試合で、何より感じたのは、日本の高校生と朝鮮高校生たちが、実力を競い合うことのすばらしさだった。
生徒たちの勇姿に「差別なき未来を」と誓う。(瑛)※写真提供は白在明さん