支援の輪がつながる瞬間
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昨日、愛知無償化裁判の第15回口頭弁論がありました。名古屋地裁前には傍聴券を求めて180人が列をなし、報告集会にも約190人が参加しました。
今回、原告側は、朝鮮高校を無償化から除外した行為が国連の人種差別撤廃条約に反するとした〈準備書面15〉と、朝鮮高校生たちへの就学金不支給はかれらの民族的アイデンティティの形成と存在を否定するものであり、憲法13条で定めた人格権を侵害しているとする〈準備書面16〉を提出。また、一橋大学の田中宏教授による、規程13条と人種差別撤廃条約に関する意見書も出されました。法廷では、熊谷孝人弁護士と金銘愛弁護士がそれぞれ、準備書面15と16を朗読しました。
裁判後の報告集会はいつにも増して内容が盛りだくさん。口頭弁論の内容を簡潔にまとめたレジュメを用意するなど、難しい裁判の内容について、皆が歩幅を合わせて理解できるような工夫もされていました。
また今回は、裁判支援運動が確実に広がっているということを強く実感する場になりました。
この日の会場には、愛知、三重、岐阜の同胞・支援者たちのほか、長野、静岡、大阪などからも無償化裁判を支援する人々がかけつけました。ほかにも日本の大学生や韓国からの留学生など、いつもと違った顔ぶれも。
長野朝鮮初中級学校のアボジ会会長を務める金剛平さんは、「裁判が始まって3年。遅ればせながら初めて集会に参加した。無償化裁判に関しては、朝高の所在地の人たちが頑張ればいいとどこか傍観者でいた」と話しはじめました。しかし、東京の「金曜行動」で子どもたちが無償化適用を訴える歌をうたい続けているという話を聞いて、 まだ子どもたちにうたわせていたんだと親としての責任感を感じ、また日本人の弁護士や支援者が懸命にたたかう姿を見ながら、当事者として関わっていかなければと思い立ったそうです。
長野初中アボジ会、オモニ会の話し合いの結果、毎年秋に行っているバザー「メアリフェスタ」の収益金の一部を毎年、裁判支援にカンパすることになりました。同時に、今後は無償化裁判に関する学習会なども企画するとのこと。
「今日を境に長野は、この裁判をともにたたかっていく決意を新たにします」。
連帯の輪が他地方にも繋がった瞬間を目の前で見るようで、この日一番ジーンときた言葉でした。
次回の裁判は来年2月15日。今後も裁判支援の取り組みが日本各地に少しずつ広がり、社会全体を巻き込んだ動きになっていけばいいですね。(理)