「独自の制裁」の強化とは何か
広告
今月6日に実施された朝鮮の核実験を受けて、日本政府が独自制裁の強化を検討している。各種報道によると、追加の制裁の内容は自民党が昨年6月にまとめた提言が軸になるという。
12日の毎日新聞電子版記事によると、提言の内容は、▼2014年5月のストックホルム合意を受けて同年7月に日本政府が解除した制裁措置を復活させる、▼再入国禁止の対象者を朝鮮民主主義人民共和国当局者らに加えて、総連の中央常任委員会委員・中央委員会委員や核・ミサイルの技術者にも広げる、▼人道目的の10万円以下を除き送金の全面禁止、朝鮮に寄港した全船舶への検査徹底、▼朝鮮学校へ補助金を支出する自治体に全面停止を指導・助言することを政府に要請する、といったもの。
日本政府が自民党の提言のラインに沿った制裁強化の方向に舵を切るとすれば大変由々しき事態だ。しかしたぶん、世論のさしたる反対もなくこの線で決まるだろうという悪い予感はある。悪い予感ほど当たるものだ。「北朝鮮はけしからんので制裁を受けて当然。北朝鮮とつながりを持っている朝鮮総聯や朝鮮学校にも制裁が課されて当然」という思考回路が政治の世界のみならず社会一般に遍く広まっている日本で、これに反対する声がどこまで上がるのか、悲観的にならざるをえない。
安倍政権は「制裁の強化」「毅然とした態度」などと息巻いているが、要は総連系在日朝鮮人や朝鮮学校を人質に取っているだけ。恥ずかしくないのだろうか。(相)