「しつけ」か「虐待」か
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北海道で男児が父親から山中に置き去りにされ行方不明になっていた事件は、6月3日に無事に発見され決着をみた。無事で本当に良かったと思う。
この事件で、クローズアップされたのは、子どものしつけの問題だ。父親が子どもを置き去りにしたのは、「しつけ」なのか「虐待」なのかということで論争が起こっているという。今回の父親の行動が「しつけ」なのか「虐待」なのか、報道で得るだけの知識で判断するのは難しい。しかし、今回の出来事を見ていて、自分自身の子育てを振り返り、非常に心苦しい思い出が胸に宿った。
私にも息子がいるが、幼い頃に、「しつけ」として、手を挙げたことが何度かある。絶対的な権力を持った者が抵抗できない幼い子に手を挙げる。その時は、「叱っていた」というよりは、「怒りを暴力としてぶつけていた」のだと、今振り返るとわかる。息子にとってみれば、恐怖でしかなかったと思うし、そのことが息子の精神世界に負の影響を与えたことは確かだろう。
いろいろと反省し、息子が小学校高学年の時に、手を挙げることは2度としまいと、決意した。息子も大きくなって、今では私よりも腕力も強くなり、いま手を挙げても、逆襲されるだけだが、手を挙げるまいと決意したことは良かったと思う。もっと早く気づいていればよかったのにと、胸が痛くなる。
私自身は、子どもの頃に体罰を受けた。竹でできた物差しでがんがん叩かれた。それで、親を恨んだことはまったくない。だけど、私がこのようなひねくれた人間になった一つの要因なのかもしれない。今の考え方は、私は体罰をやりませんということだが、体罰が許されるのかどうか…。公式的な答は「体罰はダメ」ということなのだが、そんなに単純ではないのだろう。
今回の置き去り事件は、事が大きくなって、やりすぎだったということになるのだろう。(k)