オンマは偉大
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盆休みに大阪に帰郷し、友達と会ってきた。
結婚した友達ふたりと、今年の10月に式をあげる友達ひとり。
そして、イオ8月号の特別企画で誌面に登場してくれた地元の友達に会いに、みんなでその子が働いているお店へ向かった。
その子とは、高校卒業以来に会うという子もいた。
先に私と友達のふたりで入店し、あとでもう1人、子どもを二人連れて来てくれる友達と合流する予定だった。
思えば、社会人になって、地元の同級生が働いている姿を見るのはこれが初めてかもしれない。
友達の働きっぷりを眺めながら、まったりと過ごした。
この日の大阪は猛暑で、日傘なしでは歩けないくらいのカンカン照り。
窓際でのんびりアイスコーヒーを飲みながら外を眺めていると、遠くから、子ども二人を乗せて自転車を漕いでいる友達の姿が見えた。
おんぶ紐で赤ちゃんを抱っこし、空いた手で2歳児と手を繋いで店にやってきた。
この真夏に、しかも子どもを二人も連れるのは相当大変だろう。
子育て真っ最中なのに、こうやって会いに来てくれるだけでもとてもありがたかった。
店には1時間半くらいはいただろうか。
最初は人見知りでオンマにベッタリだった2歳児もようやく心を開いてくれたようで、私に「サンダルを履かせて」と言ってきた。
よし来た。まかせろ。やっと心を開いてくれた今こそ、期待に応えたい…!
サンダルを慎重に履かせると、「違う、そこちゃう~」と言われたので、見ると、指を通すところを間違えていたようだ。早速、ご指摘が入った。
「ごめんよ…いま直すわな」
ちゃんとサンダルを履けてご満悦な様子。
そろそろ店を出て移動しようとしたところ、キャッキャとはしゃぎ回る2歳児に手を焼いた友達から「(麗)、お願いがあるんやけど。抱っこひもつけて赤ちゃん自転車に乗せて欲しい」と頼まれた。
オンマの手におえないほど暴れまわる娘を自転車に乗せるのも一苦労だ。しかもこの猛暑。
まだ子どもを産んだ経験もないのに、人生初の抱っこひもとなった。
自転車を漕ぎながら私の胸の中でいつのまにか埋もれて寝ている赤ちゃんを見て、「これ息してるのか」という少しの不安と、母性があふれてきた。
自分はこの日だけ、笑ったり叫んだり泣いたりする子どもたちと触れ合ったが、友達はこれが毎日だ。
オンマは偉大だな…と深く思った一日だった。(麗)