日本とパレスチナの共同制作、舞台「ミラー」
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先日、武蔵関のブレヒトの芝居小屋に「ミラー」というお芝居を観にいった。ブレヒトの芝居小屋を根拠地としている東京演劇アンサンブルと、パレスチナで演劇公演などをやっているNPOのイエスシアターが共同制作した演劇だ。
今回、パレスチナから二人の演劇人が日本に来て、東京演劇アンサンブルのメンバーと一緒に舞台を作り上げた。
決まった台詞があるのかないのか、出演者たちは即興のような形で、個々が持つ内面の問題を語る。自分たちはなぜ役者をやっているのか等々。在日朝鮮人の役者・洪は、自らの実体験を語りながら在日朝鮮人の歴史や置かれている状況を吐露する。
イスラエルは1948年に「建国」され、民族浄化という名のもとにパレスチナ人は故郷を追われた。パレスチナの一部はイスラエルにより50年も占領され続け、パレスチナ人は迫害され続けている。パレスチナの問題は海の向こうの遠い問題なのか? 日本とは無関係の問題なのか? 日本はパレスチナよりも平和で自由な社会なのか?
舞台は、イスラエルによる占領が続くパレスチナの現状と、それ以上に、東京や福島、沖縄と日本の現状が浮き彫りにされる。パレスチナと日本が、互いが鏡となって社会のあり方を問うているように思った。すごく刺激的な舞台だった。
「ミラー」は9月19日まで上演されている。詳細は東京演劇アンサンブルのホームページまで。(k)
http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/mirror/mirror.html