映画「高江―森が泣いている」を観て
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先日、ポレポレ東中野で上映されていた映画「高江―森が泣いている」(監督:藤本幸久・影山あさ子)を観に行った。
これは、沖縄本島北部に壮大に広がるやんばるの森に囲まれた、人口140人ほどの小さな集落・高江で、今何が起こっているのかを記録したものだ。
2007年、住民たちの反対にもかかわらず、沖縄防衛局は米軍北部訓練場でのヘリパッド建設工事に着手した。同時に高江の住民や支援者たちもゲート前で座り込み、テントを設置し、絶対に工事を食い止めようと闘ってきた。
そして、今年7月10日の参議院選挙で、辺野古新基地に反対する伊波洋一氏が勝利したその日、明日から高江のヘリパッド建設が再開するという情報が入った。市民たちは翌日から現場に駆けつけ、撮影チームもそれから毎日撮影を続けた。
全国から動員された約500人の機動隊員が市民たちを容赦なく排除していくようすは、本当に恐ろしい。機動隊のあからさまな暴力によって救急搬送されていく市民たち。「戒厳令」かと目を疑うほどの壮絶な光景だ。7月22日、激しい混乱の末、機動隊は市民がゲートを封鎖してきた座り込みテントを破壊してしまう。呆然とたたずむ人びとから、悔しさがにじみ出る。
上映後のトークで藤本監督は、「国を挙げて全国から動員された機動隊員500人、沖縄県警入れて1000人が、140人しかいない高江の村にもう3ヵ月間も貼り付けている。沖縄の森の中で安倍政権がやっていることを、早く伝えないといけない」という思いで、映画をまとめたと話した。また、自然が破壊され工事が強行されていく森の中で、今も人びとが闘ってる。そのことを伝えるため、次の映画を準備しているという。
「沖縄が今、闇に覆われているが、光を放つ人びとが集まり行動しているのも事実。集い続ける人たちに自身も付き合い続けて、記録を続けて行こうと思う。記録しない事実は消えていくし、記録してもたくさんの人が見られる形を作らないと意味がない。映画を観てもらう事で、初めて事実が事実として伝わっていく」
現在、上映権付きDVDを販売中。また、ポレポレ東中野でアンコール上映が予定されているそうだ。
次回作の「高江―森が泣いている2」は、11月末から上映権付きDVD販売。劇場上映は沖縄(12月10日~、桜坂劇場)、東京(12月中旬、ポレポレ東中野)、大阪(シアターセブン)で行われる。
是非、足を運んでほしい。(S)