子どもたちが平和を描く / 第2回「へいわこども展」
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第2回「手と手をつないで へいわこども展」が12月6日(火)から14日(水)まで、旧日本銀行広島支店ギャラリーで開かれている。
参加しているのは、外国人学校を含む広島県内の15の小・中・高等学校と特別支援学校。その他に、個人や南北コリアの子どもたちの作品も展示されている。
会場に入ると、子どもたちが“国際平和”や“友好”をテーマに制作した絵画・美術作品がずらり。共同制作作品を入れて471点にのぼる。開催期間には、来場者とのワークショップや広島朝鮮初中高級学校の生徒たちによるミニコンサートも行われた。
さらに、広島朝鮮初中高級学校、広島女学院中学高等学校、広島桜が丘高等学校、広島インターナショナルスクールの美術部が部展を企画。
中でも4校の美術部員60人が共に考え作り上げた合同作品は、来場者の目を引いた。
紙で作られた小さな家やビルが並び、その先にはピラミッド形の大きなツリー。背景には、共同制作に取り組む部員たちのようすが写された写真がカーテンのように連なっている。写真が貼られた紙は、制作過程で出てきた端材が使われているそうだ。
各々の個性を持った子どもたちが、ひとつの作品を作るのは簡単ではない。時間をかけて話し合い、共に作り上げようと思いをひとつにしてようやく完成する。同時にそれは、1人の力では作ることが出来ない作品でもある。人と人が手を取り合い平和を築いていくための「過程」が、この展示会をきっかけに実現していた。
「へいわこども展」は被爆70周年の節目を迎えた昨年、国際平和と友好を進めようと教員や市民らによって第1回が企画された。さまざまな学校の子どもたちが「平和」というひとつのテーマを共に考える貴重な時間・空間を作り出している。
今後も回を重ね、未来を作る子どもたちの交流が恒例化することで、また新たな価値が生まれていく―。そんな可能性を感じられる展示会だった。(S)