日本の学校に通う在日朝鮮学生たち
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一昨日、日暮里サニーホールで日校在学朝鮮人東京学生会(以下、学生会)の第24回文化公演「함께-ハムケ-(共に)」が行われました。学生会とは日本の中学・高校に通う在日朝鮮学生(日校生)による集まり。日本各地に学生会があり、朝鮮語や歴史学習、芸術文化体験、サマースクールなどさまざまな活動をしています。
今回の文化公演では9人の日校生に加え4人の東京朝高生が友情出演し、チャンダンノリ、舞踊、演劇、合唱を披露しました。
すべての演目が良かったのですが、中でも心に残ったのは「ハードル」という題目の演劇です。あらすじは、日本の学校に通う在日朝鮮人・木村佳秀が、同校に本名で通っているチョン・ヤンスに出会うことで自らのアイデンティティと向き合う―というもの。
一定数の日本人が在日朝鮮人に対して抱いている印象、自分の子どもを差別から守りたいと願うオモニの気持ち、自分は何者なんだろう?という葛藤など、それぞれの立場の心情がリアルに描かれているなと感じました。
出演者たち自らも経験したことのある場面が多かったのではないでしょうか。演技は初心者ながら、ときどきすごく切実に聞こえる台詞があったりして、改めて日本の学校で生活している在日朝鮮人の子どもたちのことを考えました。
自分のルーツを自覚して日本の学校に通うことで辛い思いをすることはあるのだろうか、メディアが「北朝鮮」についての悪意ある報道を流す時、私たちよりももっと身がすくむような思いをしているのだろうか、また、学生会の存在も知らない圧倒的多数の在日朝鮮人の学生たちは…?
本人たちから、たくさんの話を聞きたいと思いました。学生会はこれまできちんと取材したことがありませんでしたが、いつかサマースクールの場にも行ってそこに参加する日校生たちの姿を見てみたいです。(理)