最後の運動会?
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10月1日の日曜日は東京朝鮮中高級学校の運動会だった。快晴のなか(暑すぎるくらいだった)無事に行われた。運動会が始まると同時に、いつものように家族・親戚が集まって、宴会が始まる。競技そっちのけでビールを飲んだおかげで、最初の息子の徒競走を見逃してしまった。それでも、集団体操やクラブ別の行進とリレーなど、頑張っている姿を目に焼き付けることができた。
息子が高3なので、今回が最後の運動会となる。初級部1年から12年間、毎年行われてきた運動会だが、地方出張と重なったり入院していたりして参加できなかった年も何度かあった。でも共通しているのは、団結して披露する児童・生徒たちの競技に感動することである。走ったりジャンプしたりといった純粋な競技だけでなく、写真の生徒全体が朝鮮の国旗をはためかすパフォーマンスなど、集団で力を合わせて演じる演目が多いのが朝鮮学校の運動会の特徴だと思っている。そして、生徒たちだけのイベントではなく、子どもを送る保護者はもちろん、広い地域の同胞社会全体のイベントとなっている。
ちょっと驚いたことがひとつあった。今年もアボジ対オモニの綱引き競技が行われたのだが、暗黙の了解でオモニチームが勝つことになっていると思っていたし、これまで参加した運動会では必ずオモニ側が勝利したのに、今年はアボジチームの勝利で終わった。私が見た中では初めて。アボジたちが忖度しなかったのだろうか。
9月13日の東京の高校無償化裁判では、不当でデタラメな判決が告げられ、原告の生徒たちが敗訴した。勝訴判決が出ていたら、1日の運動会はもっと盛り上がっていたのにと残念でならない。そもそも、無償化から排除したこと、裁判を闘わなければならなかったことなど、子どもたちには何の責任もない。生徒たちは今回の判決に対する怒りを競技にぶつけていたようだった。
運動場に入る通路には今年も立派な「統一門」が設置されていた。これも生徒たち自身が作ったものだ。今年で最後の運動会だと書いた。子どもの次は孫の運動会となるのだが、孫ができるかどうかもわからないし、何年先になるかもわからない。同胞社会のイベントとして、これからも、この統一門をくぐって運動会に参加しようかと思っている。(k)